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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
32/56

仕事詰めはろくなことがない【3】


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「え、ふゆちゃんとうとう別れたの!?」


ビール片手に驚いてこちらを見てくる石と、メニューに目を落としている玉地を見て沈黙してしまった。


あれ、わたしはなぜ居酒屋にいるんだ?


「まじかぁ…彼氏から?」


「んや、私からだね」


取り敢えずいつもの居酒屋に石と玉地ときていることは把握したので、砂肝串に齧り付く。


どうせ私しか食べないんだから、十中八九私が注文したんだろう。


「まぁじぃ~?

んならお疲れさんやな。かんぱ~い」


石はテーブルに身を乗り出してビールを持つ手を伸ばしてきたので、私も首を傾げながら持っていたハイボールをガチャっとぶつけた。


「かんぱい?」


「まぁ、別れるって体力使うからなぁ。

お疲れさんってことで、ほれ、乾杯」


カシオレを飲んでいた玉地ともグラスをカチャンと合わせて、ハイボールを一口飲んだ。


………よかった。

変に勘ぐってはなさそう。


カシオレを飲みつつメニューをペラペラとめくっている玉地をちらりと見ながら、この男の以前の言葉が過る。


『ふゆたろはエッチしちゃったらすぅぐ好きになっちゃいそうだからなぁ。』


…別にエッチしたから好きになったわけじゃないけど…


かえって、たちが悪いよなぁ~きっと


「…まぁ、確かにかなり疲れたからしばらくは彼氏はいいかなぁ」


「そうなん?別れた時ほど寂しくならんの?」


彼女を途切れさせることをしない石が驚いた表情で見てくるので、少し目をそらした。


「まぁ寂しいは寂しいかもだけど、それよりもめんどくささが勝つね。

私なんか考え過ぎちゃう性質みたいだし」


「分かるよふゆたろ。めちゃ同意。

恋人って疲れるよなぁ」


しみじみと頷く玉地に苦笑いして、話を振る。


「玉地は半年前だっけ?別れたの。

欲しくはならないの?」


串焼きを食べながら視線を宙になげた玉地はぼんやりと答えた。



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