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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
29/56

閑話:「…おはよ」

準備中→閑話

朝。


くぅ…と安らかな寝息を立てる玉地にため息をついて、まじまじと顔を見つめる。


私より5歳上だから、28歳か。

にしては童顔だ。


丸めの顔に、今は閉じているぱっちり二重の目。

でもいつも眠たげで気だるそうな雰囲気。


背は高くはないから、威圧感もない。


口調も穏やかだから一見優し気。


実際優しい。


皆等しく、優しい。


…ほんと、みーんなに、同じくらい、優しい。


「…ひどいやつだな、君は」


私も、人に優しくできる人間だ。

優しい、親切だと言われることも多い。


だから、知っている。


分かりやすい優しさや親切は、無関心な相手にほど施しやすい。

私は特にあまのじゃくだから、自分の心を乱す相手ほど、優しくなんてできない。


私は、玉地に優しくなんて、できない。


君のやさしさは美徳だけど、その優しさが、どうしようもなく苦しくなる時がある。


君はきっと私に心乱されたことなんてないんだろうね。


ずっと優しい君だから、確信している。



「…ふぁ。

ん?もう起きてたんだ、ふゆたろ。」


寝ぼけ眼で無邪気に微笑んだ玉地は、私をぎゅぅと強く抱きしめた。


「おはよぉ」


「…おはよ」


あったかいけど、きゅっと締め付けられる。


あと何回、こんな朝を迎えられるだろうか。



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