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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
23/56

甘えてもいられない23歳【3】


美味しいラーメンを食べ、少し感じる胃もたれにちょっとした身体の衰えを感じつつ、玉地が吐いたタバコの白い煙を目で追う。


煙の先には東京湾がある。


喫煙所近くの階段に座り込んで眺めていると、船笛がぶおーんと鳴き、のっそりと船が動き出したのが見えた。


「やっぱ東京はええよなぁ」


「…汚くて臭いけどな」


「いやいや。港区様はそうでもないじゃんか」


「…まぁ、そうかもね」


わたしの横に立ってタバコをふかしていた玉地は、2本目のたばこを準備しながら口を開いた。


「そういえば」


「…」


黙って見上げると、玉地は細めた目で船を追いながら2本目のタバコを吸っているところだった。


「―七瀬さん、とうとうエナジードリンク禁止令が出たらしい。

鏑木さんが本社の課長に口滑らせたらしく」


「英断だね。

そろそろあの人エナジードリンク飲み過ぎで死にそうって思ってたところだもん」


七瀬主任はエナジードリンクを1日3本、ひどいときは5本も空けている。


既に致死量である。 

ほんとによくない。


「なら止めたれよふゆたろが」


「私が止めたら君タバコやめるん?」


「………」


ぴたりと身動きが一度止まった後玉地は私を見下ろし、空に向かってふぅぅと煙を吐き切った。


そしてにっこりと笑った。


「―むり」


「そういうことやんなぁ」


ふんっと私は立ち上がり、ぱんぱんとスカートのお尻をはたいた。


「そろそろ帰るよ。歯磨かなきゃ」


「おん、先行ってて~」


「君も磨くんだよ。スメハラで訴えるよ」


「ひどい…」



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