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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
21/56

甘えてもいられない23歳

金曜日。

わが社は生理休暇はあれど、失恋休暇はない。


もちろん1年と半年ほど付き合った恋人と別れた翌日もお仕事は山積みで、でも、それがかえって私にとっては丁度良かった。


「ふゆちゃん、ご飯行きましょ~」


目にまぶしい蛍光ピンクのブラウスを着こなすみなみちゃんが、PCの12:00の表示の切り替えと同時に立ち上がった。

ひと段落した作成資料を保存しながら顔をあげる。


「おつかれぇい。いいねぇどこい…」


「ふゆたろ、悪いんだけどちょっと残ってくれん?

午後一で出すメールに添付する資料のことでちょっと。


昼飯おごるから」


PCから顔をあげた玉地が頼むと手を合わせてきたので、頷いた。


「おけ。ごめんみなみちゃん、先食べちゃってくれる?

奢りには抗えなくて…」


「えぇ~じゃぁ私もなんかやりながらふゆちゃん待とうかなぁ。

どうせお店混んでるし」


席に戻りかけたみなみちゃんを静止して、玉地はスマホを取り出した。


「柊には特別にこのクーポンをやろうと思ってたんだが。

昼時間限定の”松乃屋限定あんみつ引き換え券”」


スマホケースの間に挟んでいた紙を取り出すと、玉地は「甘いの好きよな?」と言いながらみなみちゃんに差し出した。


「えぇ!いいんですかもらっちゃって!」


「おう。今日までなんだけど俺はご覧の通りいけなさそうだからな。

せめて柊がいって味わってきてくれ」


みなみちゃんはぴしっと敬礼をして、目を輝かせた。


「了解しました、任せてください!

お二人とも頑張ってください!」


現金な子だなぁと思いながらも、輝く笑顔で去っていくみなみちゃんを微笑ましく見送った。



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