表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
20/56

甘えたい夜には【4】


「んで?

別れたん?」


とん、と灰皿に灰を落とした長崎は椅子の手すりに肘を乗せて、首をかしげた。


長崎が振る舞ってくれたイタリアンおつまみ系のお食事を存分に堪能したあと、私達は食後の一服をしにベランダへでていた。


ベランダに置いた椅子に腰掛ける長崎を、ベランダの縁に座り込んだ私は茶を飲みつつ体育座りで見上げる。


「いえす、まむ」


「ふぅん、おつかれ」


ご褒美、と言って長崎はカーディガンのポケットから季節限定のチロルチョコを3つ取り出した。


両手を差し出して遠慮なく受取り、さっそくカサカサと包みを開く。


ずんだストロベリー味とは…?



「泣いたん?」


「泣いたねぇ…」


「ふゆが泣く姿なんて私も見たことないわね」


「泣くの好きじゃないからねぇ…」


豆にはビールだよなぁと頭の片隅でぼやきながら、ぼんやりと長崎にこたえる。


「疲れたでしょ」


「すっっごく」


「すっきりした?」


「…すっっごく」


力を込めて頷きながら、ため息をつきつつ呟いた。


「ほんとに、とても、」


ため息を吐き尽くし、深く息を吸った。


「つっっっかれたぁ!」


「うるさい。苦情くる」


パタンと後ろに倒れ込んだ私の足を足で部屋に押し込み、長崎は部屋に入って窓を締めた。


「片付いたとこで、さっそく次行くの?」


「つぎ?」


「あんたの唯一無二のセフレ君よ」


「あぁ、玉地ね」



そういえば玉地から連絡入ってたなと思い出し、膝を抱えて丸まって、小さく呟いた。

  

「…要検討で」


「そんなモタモタしてていいのかしらねぇ」


「予想以上に体力と気力持ってかれたからね…」


「…あんたって恋愛自体向いてないんじゃ…」



長崎の恐ろしい言葉に耳をふさぎ、用意されていた布団に飛び込んだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ