第四話 白夜団とグローリー
修行一日目。
先生と共に森へやって来た。
森には特殊な魔物がたくさんいるらしいが…
この森は特殊で、一体も魔物がいないらしい。
小鳥がチュンチュンと鳴いている。
「綺麗なところだな。」
ここで先生と能力の訓練をするらしい。
先生はくるっとこちら回り後ろ歩きしながら聞いてきた。
「流ちゃんはこの世界には私と流ちゃん以外能力者をいないと思ってる?」
「まぁ、害悪扱いされるのでそうは思いますね。」
「この村には私と君しかいないけど、世界規模で見ると結構いるの。」
またくるっと回り、僕の隣を歩いている。
「というと?」
「ここの隣の街に「白夜団」というものがあるわ。」
「白夜団?」
初めて聞いた言葉だった。
「白夜団は、最強能力者がすごく集まっているわ。」
「私も元白夜団の団長なのよ」
「だ、団長!?」
(先生簡単に言うけどすごいことなんだろうな)
「なんで白夜団ってあるんですか?」
「それはねある組織を潰すためなの。」
先生が潰すなんて言葉使うとは思わなかった。それ程までのものなのか。
「ある組織って?」
「その組織はグローリー。」
「グローリー?」
「グローリーはね、正式構成員10人と四天王4人、その上に「王」がいるわ。」
「…やばそうですね。」
「そんなやばくないわ。私が絶対、絶対勝つから!」
先生は自信満々に言った。
「おぉ…」
「その組織は私が絶対に潰すって決めてるの。」
「なんでですか?」
「世界を悪に染めないためにかな」
「流石、先生ですね。かっこいい。」
そうだ。先生は平和な世界を望んでいる。そのためならなんでも挑戦する人だ。
僕も先生のために頑張りたい。
そんなことを話していると開けたところに出た。
「よし、着いた!とりあえず能力を出してみましょう!」
「は、はい!」
「ちなみにどんな能力?」
「暴走した時は水が出ました。」
「なるほど。なら、水を出すイメージをして。能力を使うならイメージが大切だから。」
この世界の魔法の基礎は創造が大切らしい。
でも…
正直、また暴走するのが怖い。
「能力解放が出来たら多分普通に出せると思う。」
先生の言葉で励まされてやる気が出た。
水の球を出すイメージ。
すると、どんどん水が出てきた。
「本当だ。前とは違って能力の暴走がしていない。」
「いい感じね。そのまま氷にするイメージをしてみて。」
水を出せて気が緩んでいた瞬間。
「わぁぁぁぁ」
流氷の周りに氷が出て爆発した。
「いっ」
先生の頬に氷の破片がかすり、血が出ていた。
「流ちゃん、大丈夫!?」
「大丈夫です。それよりも先生は大丈夫ですか?」
「大丈夫かすっただけだから。」
先生は笑っていた。僕に心配をかけないように。
「今日はもう終わりにしましょ。とりあえず、目標は水を氷にすることね!」
「は、はい。」
僕は暗い気持ちになっていた。
こうして修行一日目が終わった。