第一話 全ての始まり
よく晴れたある日の病院にて。出産間近にしている女性、「河流鏡香」がいた。
鏡香は初めての子供の出産を前に、とても楽しみにしている。
「〜♩」
「河流さん、入りますよ〜。」
真っ白な白衣を来た看護師さんがドアを開けて入って来た。
「看護師さん。こんにちは。」
「こんにちは。明日はとうとう出産予定日ですね。」
「そうですね。我が子が生まれて来るのがまちどうしくて…とても楽しみです。」
看護師は祝いの言葉をくれた。
窓から差し込む光が少し眩しく、暖かい。
神も私の子供を祝福しているようだ。
ただ、少し怖かった。
今この瞬間、災害が起こったり、子供の未来のことを考えるとお腹の中の子供を守れるのかどうか。
「不安だ。」
確かな不安と迫る緊迫感に潰されそうだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな不安がありながら時間が経ち、出産予定日となった。
時が進むのは早いものだ。
これは大人になってようやく感じることができた。
不安がありながらも出産は無事成功。
予定通り「男の子」を出産した。
医師さんや看護師さんに「おめでとう」と祝福の言葉を沢山もらった。
夢に描いた家族
鏡香は泣きながら子供を抱いていた。
こうして僕、流氷は、何事もなく生まれ、母の心配も雲のように消え去り、そして10歳になった。
だが
僕の日常が崩れたのはこの年だった…
「こんにちは〜」
流氷は校門の前に居た体育の先生に挨拶をした。
「おはよう。少年」
「先生、少年って言い方やめてくれます?」
「俺は楽しいからやめないな」
うるさい体育教師の太い笑い声がきこえる。
これが僕の日常。
僕は、楽しい小学校生活を送ってた。
「知ってるか?少年」
先生が問いかけてきた
「何をですか?」
「この村に能力者が隠れているらしい。」
「能力者?なんで…」
能力者は化け物だと皆に嫌われている存在だ。何やら昔、村が魔法によって崩壊させられたらしい。何故この村に来たのかと不思議に思っていたら、先生が続きを話そうとしている。
「近頃村の近くに怪しい人物が現れたらしいんだが…村の誰かがそいつの魔法を見てしまったらしい。」
「そんなの信じられるわけ …」
「本当に出たんだよ」
先生のその目で本気というのが伝わってきた。
「キーンコーンカーンコーン♪」
「あ、やべ」
会話をしていて時間を見ているのを忘れてしまった。
走って教室に向かい、ドアから教室を覗くと担任の先生がもう教室にいた。
覗いたその瞬間に担任と目があってしまった。
「こら!遅刻だぞ!」
「はい、すみません」
ガラガラとドアをスライドさせ、教室に入る。
(あの筋教師め。今度あったらどうしてやろうか)
「早く座れ」
「はい」
僕が座ると先生が話し始めた。
「みんなも知ってる通り、能力者がこの村にいるらしい。能力者に会った場合、近づかないように」
(ざわざわ…)
みんなも落ち着かない様子だ。
かくいう僕もその事で頭がいっぱいだった。
(特殊な氷魔法…絶対にかっこよそう)
(能力者は危険って言うけどそんなわけないだろ。)
そう、僕は楽単的だった…
「そういえば、図書館に能力に関しての本があったな。」
あの時、自分をコントロールできていたらあんなことにならなかったのに…