010 ダンジョン誕生?
010話です。
え~と、何で総理大臣まで居るの?
何だか計画の規模が大きくなった様な?
010話
県知事さんの会談から数日後。
何故か不動産屋さんの別荘に県知事さんと総理大臣と防衛大臣、自衛隊の幹部の人が来ているよ。
〔え~と、何でこうなった? 〕
前日に連絡が有ってあの別荘まで来てくれと言われたので向かったらなんだか物々しい状態だった。
何せ別荘の回りに居るわ居るわ鉄砲持った人達が!
〔もっとも突然別荘の前に僕が現れて、皆さん驚いてるみたいな? 〕
今回の訪問は完全極秘で表向きは茨城県内の食料生産の視察って事になってるらしい。
本当に不動産屋さんって何者なんだろうね。
〔見た目は優しそうなお爺ちゃんなんだけどね? 〕
今、茨城県は千葉県北東部との一帯で食料の増産指定地域としての開発をしているそうです。
休耕地や未使用の土地を開墾して食料生産工場を作ってるらしい。
〔関東地方では唯一ダンジョン空白地域だからね 〕
茨城空港と成田空港を利用して全国に食料を空輸してるからね。
北海道からも千歳空港も辛うじて押さえてるから空輸可能で北海道産の食料を一旦成田に運んでから仕分けしてるからね。
〔本当に航空会社の旅客機をも貨物便として利用してるよ! 〕
ただ、日本の食料自給率が元々低いからね。
いくら生産を増やしても焼け石に水なんだよね。
〔他にも石油の備蓄も10年分有るって言われてるけど有限だからねぇ~ 〕
そこでダンジョンの話となる。
総理は他のダンジョンをここと同じ管理下にできないかと聞いてきた。
〔確かに他のダンジョンも管理下にできれば良いのだけどね 〕
仕方が無いのでここ、筑波山ダンジョンの事、ダンジョン自体の事、そしてスキルやレベルの事を説明していく事に。
まぁ、何故僕がダンジョンマスターになれたかとかね。
〔全くの偶然って言ったら驚いていた 〕
それとこれは後で解ったのだが、ダンジョンで死ぬとその人が持ってるスキルがスキルノートとして宝箱に配置できるのがわかった。
試しに[鑑定]のスキルノートを県知事さんに使って貰ったら[鑑定]スキルを習得できていた。
〔恐らくは他のダンジョンでも同じ事にはなってるんだろうね 〕
もっとも何故すぐに知らせなかったと言われてもね?
普通に信じますかって聞いたら皆さん黙ってしまった。
〔言ってもなに言ってんだコイツになるからね 〕
それと大事な事としてもし、僕が死ねばこのダンジョン(レベル99)がフリー状態になって、最悪、関東地方が住めなくなるほどの魔物が溢れるかもって言ったら防衛大臣が焦ってたね。
ただでさえイッパイイッパイなのにこれ以上はってね。
〔自衛隊も大変だからねぇ~ 〕
なので僕に護衛を付けるって言うけど必要ないと言っておく。
そして僕の影から護衛を出して紹介しておく。
〔出て来て、スケさんカクさん♪ 〕
出てきたスケルトンナイトのスケさんとカクさんを見て驚く総理一行。
何せ着せてる装備が自衛隊員の装備だからね。
〔剣は何故かスケルトンナイトを錬成した時に持ってたのでそのまま使ってます 〕
防衛大臣がその装備はどうしたのって聞いたので僕が能力でコピーしたと言ったら驚いてるね。
自衛隊の幹部さんも自分達の装備より物が良いって言ってるよ。
〔勿論、品質は最高だよ♪ 〕
何せ魔物の蜘蛛の糸だからね。
フォレストスパイダーのクモコちゃんに頼んで糸を出してもらってからの製作だからね♪
〔下手な防具より高性能になってるけどね。ほんと、[クラフトマジック]は有用だよね♪ 〕
僕の希望はあくまでも静かに暮らしたいのと鬱陶しいバカ教団の排除だった。
因みにこの前襲ってきた盗賊御一行は10層の階層ボスまでなんとかたどり着いたけど、そこで全滅していた。
〔まぁ、階層ボスがキングスライムさんだからね(笑) 〕
そこで総理大臣に提案をした。
訓練ダンジョンを作ろうかと。
〔勿論、自衛隊優先でも良いけどね 〕
訓練ダンジョンで訓練してから本番の他のダンジョンに挑めば死傷者も減らせるし、上手く行けば資源の確保も可能だからね。
それに民間人でもダンジョン攻略免許証みたいな物を国で発行して攻略させれば良いと提案してみた。
〔失業者対策にもなるよ! 〕
一応、訓練ダンジョンとしての入り口は筑波山の東側に、正規ルートとして南側に入り口を設ける事となった。
因みに南側の入り口付近には、例の迷惑教団の総本山が有るけどね。
〔県知事さんは構わないって言ってるよ 〕
正規の入り口はいつでも展開できるし、訓練口は地上の施設ができてからと決まった。
そこは自衛隊施設部隊が作ることとなった。
〔駐屯地みたいになるのかな?〕
ちなみに、例の教団施設の地下には何処から集めたのか武器が山積みだったのを発見していた。
トカレフやAK-47からRPG-7まで有ったよと教えたら驚くよね。
〔ちょっとした軍隊並だよって教えたらねぇ? 〕
総理大臣も例の教団や息の掛かった議員の横暴には困ってたらしくて僕の提案に乗って黙認することとなった。
何せ武装蜂起されたら面倒だからね。
〔ほんと、宗教はめんどくさいよ! 〕
こうして総理大臣も巻き込んだ嫌がらせの仕返し作戦が決行されることとなった。
それから数日後………
「ほう、やっと許可をか? 」
「エェ、やっとですよ。県知事の腰を動かすのには参りましたよ 」
「それで明日なのか? 」
「そうなんですよ、教祖様直々にこの施設の説明をしてもらいたいと。完成前の検査も同時にと 」
「建物自体は建築基準法には抵触してないだろうに? 」
「どうもマスコミの一部にここが危険な施設だと言ってまして、その為に何もない事を見せる必要が有ると言われましては……… 」
「このご時世に何を言ってるんだ? 」
「仕方がないだろう。我々が立ち上がるまでの我慢ですよ! 」
「所で例の部屋は大丈夫だな? 」
「勿論です、教祖様。武器庫の入り口は隠して有りますし、あれを発見するのには難しいですね 」
「これ、武器庫ではない、宝物庫であろうが! 」
「これは申し訳ありません。宝物庫は封印しております 」
「そうなら良いですが? 明日は私が案内しますので、くれぐれも油断しないで下さいね 」
「お前達、準備は抜かるなよ! 」
「「「「「「「ハイ、教祖様 」」」」」」」
「この世界を救うのは我々世界煩悩教団の使命で有るからな! 」
「(……フ~ン、宝物庫ねぇ~……)」
次の日………
「ようこそ、世界煩悩教団本部にお越しいただきまして 」
「随分としっかりした建物に見えますなぁ~ 」
「流石は知事ですな。教団本部施設ですので建築基準法を守りつつしっかりとした建物としました。ここなら例え今世間を騒がしている魔物が攻めてきても、信者を守る事ができます 」
「その割には随分とアコギな資金集めをしたとか? 」
「イエイエ、あくまでも寄付ですよ。あんなマスコミの嘘を信じてはいけませんよ 」
「なら良いのですがね。兎に角、しっかりと査察はさせていただきますよ。先ずは建物から人を出してくださいね 」
「何故です? 聞いてませんが? 」
「一応、最新の探索装置を使いますので人が居ますと反応してしまって余計な作業が増えますが、よろしいので? 」
「何です、その最新の装置とは? 」
「建物の中の鉄筋の入り具合とか空洞の有無とかですよ。昔の東日本震災の時の教訓で開発されて最近実用化された装置何ですけどね。人命救助用何ですが、こういった建物の検査にも使えるとメーカーから売り込みが有ってね。それで県庁で使ってみて良かったらと言われてねぇ~。それならここで試験運用してみようとね。何も無いなら問題は無いだろう? 」
「………(聞いてないぞ!)………エェ、それならご協力いたしましょう。オイ、信者を全員外に! 」
「エ、………ハイ、ただいま! 」
「………(予定が狂った)………それでは暫くお待ちを 」
少し離れた場所にて………
「オイ、聞いてないぞ。どうなってる? 」
「私も聞いてませんよ! それにあの業者も始めて見ましたよ! 恐らくは原発関連の業者かも知れませんが……… 」
「そう言えば東海原発の再稼働で揉めてたな。その関係か? 」
「恐らくは? 」
「チ、余計な事をしおって! 」
「教祖様、全員外に出ました 」
「では、案内をしようか 」
建物の1階にて
「どうだね、問題は無いかな? 」
「………鉄筋はちゃんと入ってますね。こういった建築物は手を抜かれる場合が有りますがここはしっかりと入って入るようですね 」
「聞いてよいか? どういう仕掛けなんだ? 」
「企業秘密ですが………強いて言えば特殊な電磁波と言うか電波ですかね、それを使ってます。勿論、人体には問題ないですけどね 」
「オイオイ、本当に安全なんだな? 」
「一応、人体に当てても問題ないですよ。ただし、生物が万が一………例えばこの壁の向こう側に居ますと反応してしまうんですよ。まぁ、タマタマこういった特性を見付けて応用したのがこの装置何ですけど………エ、反応が有りますね。なんだろう? 」
「この壁の向こう側は? 」
「確か………おい、ここはなんだ? 」
「ハイ、ボイラー室です、教祖様 」
「だそうです 」
「う~ん、するとネズミかな? アァ、欠点として生物、最小だとネズミ位まで反応してしまうんですよ。今回も反応自体小さいので多分、ネズミかな? 」
「う~ん、その辺はなんとかして貰わんと採用はできないぞ! 」
「エェ、そうですね。ちょっと失礼、(カチ)反応が良すぎる、小動物の反応除外が必要(カチ)、ハイ、失礼しました 」
「録音? 」
「それ便利だな 」
「メモ代わりですよ。これならイチイチ書かなくても良いですよね? 」
「しかしもうネズミが入り込んでるのかね 」
「知事、新築の建物でもアイツラは入り込みますよ。特にこの時期は寒いですからね。ボイラー室なんかは暖かいですので 」
「(なんだ、コイツはホローしてくれるのか?)そうですか。オイ、後で駆除するように 」
「ハイ、教祖様 」
「では次に向かいましょう 」
地下1階の奥の部屋にて
「ン、ここは? 」
「この部屋は倉庫の予定です。今はまだ物が入っていませんがね 」
「どうかね? 」
「う~ん、基準は満たしてますね。………アレ、この先………イヤ、その割には遠いな……… 」
「(オイオイ、何を見つけた?)何か有りましたか? 」
「いえね、この壁の奥と言うか………そうですね、約50m先に空洞が有るような反応何ですよ。この方角は丁度山の方ですよね? 何か有りましたかね 」
「50m先かね? それなら建物とは関係ないだろう? 」
「う~ん、前にも似たような反応が有ったんですよね。まさかねぇ? 」
「(何が有ると言うんだよ?)何がですか? 」
「何が有ると? 」
「………前にさいたま副都心のビルの調査って言うかテストで調べさせて貰ったら時に同じ反応が出たんですよ。ただ、その時は機器の不良って事になったんですけど………その後ですよ、さいたまダンジョンが現れて大騒ぎになったんですよ! 」
「なんだって! ダンジョンだと! 」
「(ふざけるな! ダンジョンだと!)そんなわけはありませんよ。オイ、裏で何か掘ったか? 」
「エ、え~と、そう言えば井戸の掘削をしたような? 」
「そ、それだ! 井戸を掘ろうとして試掘したんだよな? 」
「ハ、ハイ、教祖様。結局出ませんでしたが? 」
「う~ん、にしても反応が大きいんだよな? 万が一も有りますから、ちゃんと調べた方がよろしいですよ? 」
「う~ん、もしもダンジョンなら未発見の可能性も有るだろうからなぁ~ 」
「(そんな物有ってたまるか!)オイ、どうなんだ! 」
「我々が地質調査した時は何もないはずです。有ったらここに本部を建てませんよ! 」
「ソ、そうですよ! 知事は心配性ですね。これ以上はダンジョンなんかありませんよ! 」
「多分、井戸を掘ったときに中で崩れて空洞ができたんでしょう。後で調べて埋めようと思います 」
「なら良いですが………後で詳しい工事報告をしてくださいね。崩れてからでは遅いですから! 」
「わかっておりますよ。では地上に戻りましょう。(もうこれ以上調べられたら困るわ!) 」
「では戻りましょうかね 」
「エェ、そうですね。………アレ、また反応が? 」
「(ヴ、その方向は!)ナ、何か有りましたか? 」
「イエ、この壁の向こう側何ですが、壁一面が鉄板ですかね? 覆われてるみたいですね? 」
「鉄板? 何か埋めましたか? 」
「そこは………オイ、何が有る? 」
「(エ、そんな事言われても………)………え~と、確か………補強に入れたとしか………すみません、工事担当者に確認します! 」
「まぁ、後でちゃんとした説明をしていただきたいですね 」
「他は………無いようですね? 他に調べる所は有ります? 」
「そうだな………(グラグラ) ン、揺れてますね? 」
「地震かな? 」
"グラグラ…………ドン!グラグラ……… "
「ク、でかいぞ。すぐに外に! 」
「一体何が! 」
「教祖様、急いでください! 」
一行は外に逃げ出したが?
「なんだ、あの穴は? 」
「あ、本部が沈んでいきます! 」
「ナンダトォ~! 」
教団本部が沈みだした!
「オイ、これって……… 」
「カメラ回してるか? 」
「中継行けるか! 」
マスコミ各社が慌てだしていた。
何せ目の前で起こっているから!
「なんじゃこれわぁぁぁ! 」
教団本部は見事に沈みその跡の裏側の土手に大きな穴ができていた。
その様子は空からも中継されていた。
〔まぁ、知事が許可してたからね 〕
そう、世界で始めてダンジョンが現れた瞬間の生中継となっていた!
010
う~ん、教団本部には武器がイッパイ有るね?
それでは教団壊滅作戦の始まり始まり!