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第九話 最終話(3)

 ところが、その直後――噴射音が耳を劈いた!――何と、ロケット弾がレディに向かって迫り来たかッ?

 彼女は、すかさず体を翻す。

 すると、弾は後方の地面に着弾して破裂音を上げた。どうにか、凄まじい爆風と砂煙を後ろから浴びただけで、砲弾を回避できた。

 言わずと知れた、龍子のバズーカ攻撃だ! どうやら、レディたちの侵入を予期し、待ち構えていたのだろう。早々と奴の洗礼を受けたようだ。

「レディM、アネキの仇だ!」しかも、奴の攻撃は止まることを知らず その後もバズーカを発射してきた。

 ならば、容易く撃たせてなるものか! 彼女は、照準を絞らせないように空中回転して、右へ左へと移動しつつ接近を試みた。[弾は標的を捕えることなく破裂する]

 そして、十分近づいたところで、龍子の手にするバズーカの発射口目掛けて、青の円盤を放った!

 すると、上手い具合にシューターが砲口から内部に入った。これで、明らかに砲弾を発射させられない。……と思えど、奴は構わず、トリガーを引いた?

「……何?」

――ただちに、破裂音が鳴り響いた!――円盤が詰まっていたのだから、当然バズーカの砲筒内で爆発したのだ!

(全く、馬鹿なことを……。しかし、これが奴の性分というものか?)

 龍子は、慌ててバズーカを放り投げた。だが、凄まじい爆風を避けられる訳もなく、建物の壁面まで吹き飛ばされて、そのまま動かなくなってしまった。かなりのダメージを受けたみたいだ。

 これで、勝負は決まったようなもの。もう抗う気力も残っていないだろう……

 レディは、ゆっくりと奴に背を向ける。後の処理は警官たちに任せることにして。

「チッ、き、きさまァー!」ところが、動けないほどの痛手を受けたはずなのに、奴はまだ負けを認めようとしなかった? 次の瞬間、油断していたレディに向かって突進してきたかッ!

……が、それも結局は無駄なこと。風切り音が間髪入れず鳴ったと思ったら、鋭い矢先がその企てを打ち砕いた。二本の矢が龍子の両腕を射抜き、壁まで押し戻したのだ。[まるで生き物の標本のようにその体は貼り付けられる]

 まさしく、セブンの登場だった! 彼女の援護射撃が決まったという訳だ。

 そして、「M、ここは私たちに任せて、先に進んで!」という彼女の声が聞こえてきた。どうやらいつの間にか、機捜隊UPの残りの面々も現れ、戦いに加わっていたようだ。殴りくる敵に拳を振るい、切りつける強面に蹴りを見舞うなどの、必死の応戦を繰り広げていた。そのうえ、警官たちもぞくぞくと応援に駆けつけてきたため、もうこの場は敵味方が入り乱れる修羅場の様相だ。

 となれば、ここは彼らに任せて、自分は北条を見つけるために屋敷の内部へ侵入すべきであろう。よって彼女は、次なる戦いに備えて腰に束ねていた長い鎖分銅を解いた。[多くの敵に遭遇したため、既にシューターの数が残り僅かになっていた]

 すると、ちょうどその時、突然男が刀を振り翳し斬りつけてきたか?

 しかし……彼女の動きはそれより速く、鎖分銅をまるで〝ムチ〟のように振り抜き、男の頭部へヒットさせた。族は呆気なく倒れ込む。

 さらにその後も、男が拳銃を向けてきたが、トリガーを引こうとする前に銃を弾き飛ばし、側面からその首へ強打を食らわせた。族は真横に回転しながら吹っ飛んでいった。何とも、強烈な一撃よ。

 それから、同様の抵抗が数多く続いたものの、また一人、また一人と倒しながら彼女はどんどんと奥へ入り込んだ。そして、ダウンしたとしても、まだ意識がありそうな男の首根っこを掴んでは、「北条はどこだ?」と訊いて回った。 

 だが、どの男も、「…………」だんまりを決め込むか、「し、知るもんか!」と粋がる態度で返してくるのみ。全く要領を得なかった。

(やはり、部下たちは本当に居場所を知らされていないのかもしれない)このまま強面どもを甚振ったところで時間の無駄か?

 それなら、もう奥の手を出すしかないようだ。実を言うと、捜索のための新兵器も用意されていた。

 レディは、フルフェイスメットに仕込まれた赤外線熱探知機を始動させる。[それは、新たに技研課が開発した、障害物があろうとも人の有無が分かる装置である]

 そして、彼女は慎重に周囲を探った。

 そうすると、建物の奥の方にある小部屋らしき所に人型熱源を発見する。室内に二人と、その外を守るかのように配置された四名のシルエットが浮かんでいたのだ。

 よし、きっとあれに違いない。北条たちの居場所を見つけたぞ! 彼女はそう思い、鎖分銅を握り締め、すぐさま向かうのであった。





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