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第8話 最後の決戦-6

       2 記憶


「さあ、今日からここが桃夏ちゃんのお家だよ」

「へえー、このおうちが、ももかのおうちなの? ももかと、おじちゃんとおばちゃんといっしょのおうち?」

「そうだよ。皆で仲良く暮らすんだ」

「ふうん、なかよくくらすんだー。ももかのおうちで、みんななかよく……。やったぁ、やったぁ、やったぁー」

「あら、危ないわよ。そんなにはしゃいじゃ」

「はははは、まあいいじゃないか、好きにさせるさ…………」


    ――――――――


「お父さん、お願いがあるんです」

「なんだい? 改まって」

「……特戦課、特戦課のUndercoverPoliceに入ることを許してほしいんです!」

「機捜隊UndercoverPoliceだと?……お前はどんな所か分かってるのか? 危険な任務を請け負う組織だぞ。ときには命を落とすこともある!」

「はい。それは知ってます。でも、私は決心したんです」

「いかん、いかん、だめだ! 結論を急がず、もう少し考えてからにしなさい…………」


    ――――――――


「全員注目! いいか、俺がお前たちの上官となる、工藤武紀くどうたけのりだ。びしびしとしごくからそのつもりでいろ」

「了解しました!」

「まず、お前がMだな。それから右隣にいるのがおクウで、左がセブンか。よーし、ここに第三部署特戦課機捜隊UPの三羽の精鋭がそろったって訳だ。それでは最初に忠告しておく。よーく頭に叩き込んでおけ。この機捜隊UPとは、世間では実在しないことになっている特殊部隊だ。最上級に危険な任務のうえに命の保障もない。お前たちが敵に捕まったとしても、誰も助けに来ないからな。俺たちだけで、解決するしかないぞ。常に生死をかけた戦いだと思い、そのつもりでかかれ」

「はい、分かりました!」

    ………………

「いいか、今度のターゲットは麻薬の取引現場を押さえることだ。そこでM、先鋒はお前だ。先に奴らの様子を探りに……えっ? おい、待てー。俺の話は終わってないぞ」

「とりゃーー!」

「馬鹿! まだ早過ぎる……勝手に突っ走るんじゃない! あの馬鹿ヤロウ。おクウ、あいつの援護だ!」

    ………………

「お、お前は……何者だ? わしを山本組四代目と知っての襲撃か?」

「俺の名は、第三部署特戦課機捜隊UP、レディMだ!…………」


    ――――――――


「花崎社長の娘さんか。まあ立派になって……しかしあんたも苦労したんだろうな。突然両親を亡くしたんだから」

「出火時の様子を聞かせて貰えないですか?」

「ええっと……あの時、夜の十時頃かな。俺達従業員はもう家に帰っていたんだが、社長と奥さんはまだ会社に残っていて、多分帳簿の整理をしていたんだと思うよ。社長が大変だとぼやいていたからな。……それから会社の倉庫から火が出て、気づいた社長たちが消そうとしたんだろうが、結局煙に巻かれて……。だけど、おかしいんだよな。倉庫に火元になる物なんて置いてなかったから」

「会社の方は上手く行ってなかったんですか?」

「いや、最初は順調だったよ。だけど、途中から、あの会社のもう一人の経営者が売り上げ金を持ち逃げしたんで、会社が危機になったんだ」

「別の経営者がいたんですか?」

「そうだよ。知らなかったのかい。まあ、そら大事だったね。社長は金を工面するためにいろんな銀行に頼みに行ってね。なかなか融資して貰えないようだったよ。そうそう、それでね。後で知ったんだけど、そのもう一人の経営者に多額の保険金が入ったらしいんだ」

「保険金が?」

「会社に保険を掛けていたなんて初耳だよ。けど、抜け目がない人はいるもんだ……」

「では、そのことを警察に言ったんですか?」

「いいや、言ってないよ。だって後で分かったんだから、わざわざ報告するのもねえ。警察もその辺は調べているんじゃないのかね」

「それで、その人の名前は何と言うのですか?」

「うーんと、確か、かね…………」


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