勇者として
名付けがはかどりません……
コツとか知ってる方いたら教えてください。
よろしくお願いします。
村に帰ってきたハヤトを見て、村人達は驚きを隠せない。
生贄が帰ってきたと思ったら、勇者になったと言い出す。
初めはみんな疑った。
だが村の占い師が勇者の証をみて、本物だと大騒ぎしたので村の人たちも信じざるを得ない。
こうしてハヤトは、勇者と認められ、後日村を発つことになった。
途端に村の人たちの彼への態度は180度変わる。
ハヤトの両親も
「お前を息子に持てて俺達も鼻が高いよ」
だって。
ついさっきまで冷たい態度をとっていた癖に。
ハヤトは不満を抱きながらも身支度を済ませた。
村の人たちは彼に期待と不安の気持ちを持って見送る。
ハヤトは期待に応えられるよう精一杯クロムと戦う覚悟が出来ている。
多くの声援を背に、ハヤトは出発した。
最初に見た魔物は、青くてプルプルしているもの。
「わぁ、可愛いな」
ハヤトそれを見てかけ寄り……
ドコォッッ
村を出発し、わずか3分……即死だった。
「……うわああああああああああああああああああ!!!」
意識が戻り、ハヤトは叫びながら飛び起きる。
そして目に入ったのは顔見知りの男性だ。
たしかその人の職業は神父で、
「村を出てって3分で死ぬってどういうことだよ」
「すみません……え、とここは?」
「ここは村の教会だ。勇者は生き返られるんだがこうも一瞬で戻ってこられると先が思いやられるな」
「あ……はい、すみません」
「もっと気を張れよ」
神父の男性に指摘され、ハヤトは己の迂闊さを再認識する。
そして今度は同じ過ちを繰り返さないように、慎重に村を出て……
村を出た途端に岩の陰から先ほどの魔物があらわれた。
慎重なハヤトの行動は素早かった。
魔物を視界の端で捉えた一瞬で剣を抜き……
それを捨てて逃げ出した。
「これで少しは軽くなった」
地面に落ちた剣は消滅した。
「そうか。あの剣は勇者の証のちからで作ったものだから僕の体から離れると消えるんだ」
セレンの言っていた、自分が思ったように装備の大きさや形を変えられるという言葉を思い出し、ハヤトはバネじかけの靴を思い浮かべる。
そして想像通りの靴がハヤトの足に現れ……
「すごいこれ!」
飛ぶような、実際飛びながら走るハヤトと魔物との距離はグングンと開き、10分ほどでハヤトはスノア村から最も近い街であるセントタウンに着いた。
そこは世界的にも有名な戦士のいる街で、かろうじて魔物に滅ぼされずにいる。
ハヤトは街へ入った。