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心
あ、ダメだ……プロット作ってなかったせいだ……没だわ……
「勇者様! 有り難う御座います! 本当に助かりました」
魔物を全て倒しきったハヤトに村長が駆け寄ってきた。だがハヤトは話せる状態にない。先の戦いで全ての感覚を失い、魔物を感知して倒すだけのロボットになってしまったのだ。
「勇者様? どうかされましたか?」
村長はそれに気づかない。彼が見ているのは勇者であって、ハヤトのことなど見ていないのだ。「勇者」の事実だけに感謝している。だから気づかない。
「クソが……」
彼の無神経ぶりは珍しくメルが憤慨しているほどだ。こんなに怒っているメルを見るのはサラも初めてのことだった。
ハヤトは二人に連れられ村を出た。完全に心が壊れ、目は光を失い、口を半開きにして棒立ちの状態だ。そして魔物を見つけては倒しに走る。話しかけても曖昧な返事をするだけだ。
「はぁ……あんな無茶なこと……どうして……」
「私がもっと強ければ、勇者様のお役に立てたのに……」
「サラのせいじゃないよ。これから、どうしよう……」
三人はあてもなく歩き続けた……




