見上げるひと
海の裾から
広がる夜に
静けさを取り戻した浜辺
星は光を絡ませながら
見上げるひとの
視線をそっとかわしている
その耳から
音だけで広がる海は
誰の声ものせず
行き方も知らない明日
もう波と返した昨日
星は光を絡ませながら
見上げるひとの
動かぬ星をそっと隠している
遠くで佇む
見上げるひとよ
彼方の海に浮かぶ
彼方の星に輝く
あの孤独を見出すよりも
浅く沈む足跡に
私のさみしさを張るから
踏み出したのなら
いつか思い出して
その歩みを重ねてほしい