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第8話 男勝りな女たち

 なんとか無失点に切り抜けた1回の表。春馬がベンチから一歩だけ出て皆を出迎える。特に初回を投げ終えた鍋島には声をかけようとする。しかし彼へと突っ込んできたのは鍋島ではない。


「春馬く~ん」


 飛びついた彼女は彼を強く抱きしめ、胸に顔を擦りよせうずめてくる。


「はいはい。どうした?」


「最初のバッター、春馬君なら刺せたぁぁ」


「あぁスイッチトスな。あれは諦めろ」


 確かに1番・岩井の打球について言えば、近江―春馬の二遊間であれば、スイッチトスで九分九厘刺せているものである。ただショート経験のある最上、内野本職の大崎ですらできないプレーだけに、内野経験の浅い沖満にそれを求めるのは無茶な話である。


 しかし彼女は彼の背中を強く握って離さない。


「それだけじゃないもん。春馬君なら、自力であれを刺してたもん」


「さすがに僕でもあれは無理だろ」


「やったもん。以前の琴ヶ浜戦でやったもん」


「そうだっけ?」


 彼は振り返り最上の方へ。すると、


「うん。最終回のツーアウト、バッターは岩井。ピッチャーは近江」


 そう言われるとやったような気もするが、はっきりやったと言いきれない微妙なところである。


「う~ん。そっか……やってたか」


 わざわざプレーのひとつひとつを覚えていない春馬。周りにとって大プレーであっても、彼にとっては些細なプレーだったりするのである。そこで春馬は無理やり引きはがすことはなく、彼女の頭を軽く撫でる。


「守備は僕の武器だもの。そう簡単にお前なんかにマネされてたまるかよ。まぁ、ベアハンドはマネされたけど」


「春馬君、凄い」


「僕にしてみればこのちっこい体でボコスカホームラン打てる方が凄いけどなぁ」


「ほんと? 凄い?」


「うん、凄い」


「えへへ」


 不満そうな表情から可愛らしい笑みへと変わる。


「ほら。分かったらそのいいバッティングを見せてくれ。頼んだぞ、4番」


「うん。頑張る」


「分かったら、円陣でも組んでろ。キャプテン」


「組む」


 嬉々として春馬から離れて円陣を組み始める近江。春馬はそれから離れて楓音の元へと向かう。

ヘルメットを被り、エルボーガードも付けた。バットを手に打席へ向かおうとしたところを呼び止める。


「楓音」


「ひゃい」


 隣に立った春馬は彼女の頭に手を乗せ、目線の高さを合わせるように腰を曲げる。


「先発は前と同じで石井。とはいっても、さすがに前みたいに甘くはないかもな」


「う、うん」


 横を見れば春馬の顔が至近距離に。彼女はその緊張をごまかすように、彼と同じくピッチャーマウンドへと目を向ける。


「見ていった方がいい?」


「いや。気にせず打っていけ。ただカウントの浅い内は待ち球を絞って好きなとこだけ。な」


「分かった。なんとか塁に出てきます」


「よし。任せたぞ」


 彼女の頭をヘルメットの上から2度叩いてから送り出す。楓音はずれたヘルメットを再び被り直して打席へと向かう。


『(投球は去年よりも安定してるかも。でもあまり武器らしい武器はない感じ?)』


 基本が整ったことである程度の能力底上げはできている。しかし基本への+αがあるようには思えない。むしろ時折、コントロールの乱れも垣間見える。


「バッターラップ」


 既定の投球練習が終わるなり、球審に急かされた楓音は一礼して打席へ。


「プレイ」


 ランナーコーチやネクストを除いたフィールド上のプレイヤーが女子のみという、1回の裏の攻撃が開幕。マウンド上の左腕・石井は短いサイン交換の後に、ただちに投球モーションを起こす。


『(甘い球なら初球から――)』


 春馬の指示通りに待ち球を予め絞る。その上でタイミングを計りながら投げられた初球は、


「ストライーク」


 インコースの少し甘めに入った球だが、初球は外と読んでいた楓音はあっさりと見逃し。ついでに彼女はボックスを外して、バックスクリーンへと目を向ける。


『89㎞/h』


 球速表示を見る限りでは高校野球としてはかなり遅いほうである。しかし設立2年目の女子校野球部と考えると、かなり速い部類ではなかろうか。


『(打っちゃうよ?)』


『(ノーサイン。ご自由に)』


 一応ベンチへと目をやると、春馬からの指示はノーサイン。打つも待つも、なんならセーフティもあり。いつも通りのサインだ。


 帽子のつばに触れて了解を示した楓音。余計な事を考えず、とにかくいい球が来たら引っ叩く。それだけ意識する。


 カウント1―0からの2球目。


 石井の投球はアウトコースへの甘い球。これを少しタイミングを遅らせて弾き返す。


 楓音の流し打った一打は三遊間。サードのグローブのわずか下を通った球はレフトへと抜けるかのように思えたが、ここを守るは名手・岩井である。逆シングルで捕球した彼女は右足で踏ん張りつつ1塁に向けて大遠投。しかし楓音は打ってからのスタートが早く、しかも左バッターである。その利を生かして送球よりも早く1塁を駆け抜けた。


「いくら上手いと言っても女子、か」


 近江や岩井と言った女子たちが持つ、打撃・守備の高い技術力。その点については守備の名手たる春馬ですらも脱帽レベルである。しかし彼女たちでは春馬たち男子にかなわない点がある。筋力だ。確かに近江の打撃のように技術でパワーを補う事も不可能ではないが、先の近江・岩井両名の守備から分かるように地のパワーが問われる場面ではその不足が露呈する。そのいずれについても、春馬であれば間違いなく刺せていたことだろう。


「まぁなんにせよ、ノーアウトで1塁にランナーを置けたか」


 しかしその点についてわざわざ深く考察する必要もないだろう。1塁に立つ楓音に対してサインを送る。


『(ちょっとここは仕掛けて相手の力量を見たいな。楓音。頼めるか?)』


『(うん。やってみる)』


『(ということは、俺は待ちかな?)』


 ここは単独スチールの指示。


 了解サインを出した楓音は、投手・石井がセットポジションに入ると同時にリードを広げる。今試合では2番としてバッターボックスに立つ寺越も、ひとまず初球に対しては待ちの意識を持つ。


『(セットポジションはそれっぽい、かも。でもなんだか露骨って言うか――)』


 まず牽制。左投手とあって1塁牽制は早いが、大きめのリードを取っていた楓音も悠々帰塁する。


『(演じてる感じがする。分かりやすい?)』


 まだ技術面において粗削りということであろう。


 ピッチャーにボールが返球されるなりすぐさまセットポジション。それに合わせて再びリードを広げた楓音はピッチャーとにらめっこ。視線が自分から外されピッチャーの足が上がったことでわずかに2塁に意識が向くが、


『(これは――どっち?)』


 スタートが切れない。ワンテンポ遅れてその足がホーム方向に踏み出されかけたことで、ようやく楓音は2塁にスタートを切る。


「ボール」


 高めに浮いたボール球。視界の隅で楓音のスタートを見ていたキャッチャーは2塁送球姿勢。しかし彼女はスタートが悪いと見たか少し進んですぐに帰塁。そこでキャッチャーから1塁へと牽制が飛んでくるも、これは悠々とセーフ。


『(ごめんなさい。上手くいかなかった)』


 残念そうに顔を向けてくる楓音に、春馬は首をかしげつつ次のサインを出す。


『(ん? タイミングが合わなかったか)』


 盗塁のサインについては、タイミングが合わなかった場合は無理をするな。というのが春馬政権下におけるひとつのルールである。その点では別に楓音が盗塁を中止したのは、ある意味でサイン不履行ながら指示通りのものであり、なんらおかしなものではない。ただ琴ヶ浜相手に盗塁ができなかったのは意外であった。


『(まぁいいや。グリーンライトは維持。寺越、好きに打て)』


『(うん。分かった)』


『(OK。了解)』


 楓音・寺越両名からの了承。


 どういう理由かはさておき、楓音がスタートを切れなかったのは仕方ない。ここから強攻策に切り替える。と、


『(盗――めた?)』


 次の投球でグリーンライトに基づき楓音がスタート。盗塁が九分九厘決まったタイミングであったが、さらにここで寺越がヒッティング。流して弾き返したボールは、2塁ベースカバーで大きく空いた三遊間を抜けていく。


「行ける」


 打球自体はレフト方面だけに際どいが、このタイミングならいけると判断した楓音。迷わず2塁を蹴って3塁へ。その判断は予想通り。守備の拙さもあり、レフトの打球処理が遅れて楓音が3塁に到達する。


「ふ~ん。相手にエンドランやられたから、こっちもエンドランねぇ。新田もやるなぁ」


「僕はサインを出してねぇよ。グリーンライト&フリーサインだ」


「偶発的なランエンドヒットか?」


「そういうこと」


 最上に煽られつつもしっかり答えておく。


「しかしここはどうするかな? 相手は琴ヶ浜と言えゲッツー怖いし、寺越を動かすかな」


「1塁を空けるのかよ」


「問題ないだろ。次はコイツだし、敬遠はまずありえん」


 ネクストに入ろうとする近江を指さす春馬。すると彼女は胸を張って主張。


「強打者を前に敬遠は……くさく? すざく?」


「「「愚策」」」


 なお言葉の選択に手間取り、春馬・最上、加えて近江のネクストである皆月にもツッコまれる。語彙力の引き出しは少ないようである。


「ところで皆月」


「なんだ?」


「鍋島の調子はどう?」


 春馬はちょうど隣にいる皆月へと声をかける。


「先発投手の様子を聞くなんて珍しいな」


「今までは先発って言えば最上か、たまに僕。いずれにしても聞く意味ないしな」


「確かに」


 最上は春馬が気にしても仕方がないフリーダムだし、春馬については自分自身が最もよく分かっている。そのいずれでもない鍋島が先発である今回、そうした点について疑問に持つのは当然と言えば当然だ。


「さすが本職が投手だけあると思うよ。お前や義光より投手らしい」


「最上はともかく、僕は本職投手じゃねぇし」


「ショートだもんな」


「いや、セカンドだぞ」


 近江がセカンド以外だと弱肩が壁になるだけにショートへ転向。そこから最上の投手1人体制はしんどいと、リリーフも兼任しているのが春馬。セカンドとキャッチャーを兼務する子がいるとはいえ、春馬も守備については有能である。ただ本人曰く、レフト・ライトの切れる打球は滅法苦手らしいが。


 さて、ノーアウトでランナー1・3塁となってバッターは猿政。


 あからさまなスラッガーに、ピッチャー石井の球はやや逃げ気味。それでもカウント2―0とボール先行からの3球目。ストライクを欲したボールが甘く入り、それを猿政が迷わず振り抜いた。

しかし彼の打球はレフト前・サード後方へのファールフライ。それでも風の影響もあって捕れるかどうか際どいところであったものの、ショートの岩井の打球反応がよかったのが不運だった。あっさりと3塁線を越えてファールグラウンドへと飛び出し、打球に向けて手を伸ばす。前のめりと言うかなり不安定な姿勢になりながら、猿政のファールフライをもぎ取った。


 ファインプレーにも見えるそのワンプレーに歓声が上がるスタンド。


 こちらも守備の名手たる春馬も、今のを捕られたら仕方がないと諦め。


 しかし蛍が丘高校の野球はそう簡単に1点を諦める野球じゃない。


「ホーム、ホーム」


 琴ヶ浜ベンチの監督からの声に、体勢を立て直した岩井はハッとしてホームを向く。しかし時すでに遅し。


「ホームイン」


 ショートファールフライにて3塁の楓音がタッチアップ。相手の悪い姿勢と経験不足が功を奏し、内野犠牲フライという珍しい形にて蛍が丘高校が先制点をたたき出した。


 猿政の捨てたバットを拾った楓音は、1塁側ベンチに帰りながらネクストの近江とハイタッチ。


「ナイスラ~ン」


「どんどん点を取ってこ」


「打つ」


 意気揚々と打席に向かう近江。


 楓音は彼女を見送りつつベンチへと帰還。バットをケースへと放り込み、ヘルメットを定位置に置いておく。そんな彼女を出迎えたのは春馬。


「ナイスラン。今のはすごくよかったぞ」


 ヘルメットを取ったばかりの楓音の頭を撫で始める。


「う、うん。ありがとう」


 いくら近江のせいでクセになっているとはいえ、野郎共&沖満からすれば春馬に頭を撫でられるのは嬉しいものではなく、なんなら鬱陶しいくらいである。しかし入学前から交友があり慣れている優奈についてはスキンシップの1つであり、姉ちゃんについては言うまでもない。そして楓音にとっては、


『(はふぅ。もうずっと撫でててもらいたいかも)』


 近江のように態度には出さないものの、彼女以上に喜んでいたりする。ところ構わず抱き着いたり、自ら頭を撫でるように要求しているわけではない楓音にとっては、こういう瞬間が数少ない彼とのスキンシップタイムでもある。もっともいつぞやから月1~2くらいで野郎のひざまくらをしてもらっており、そちらも大事なスキンシップに該当するわけだが。


「で、楓音。相手のモーションはどうだった?」


「うん」


 春馬が彼女の頭に手を乗せたまま問う。


「盗塁はしやすいけど、盗みづらさはあるかなぁ」


「と、言うと?」


「投球モーションが固まってない感じで、変なクセがあるって言うのかな? だから他のピッチャーと同感覚で待ってると辛いかも。でも、クイック自体は慣れてないのか遅いから、少しタイミングが遅れたくらいなら2塁に行けるかも」


「なるほど……とは口で言うけど、口でしか言えないな」


 要は投球モーションが固まっていないことで、いったいどれが投球・牽制を分けるクセなのか分かりづらいのである。ただランナーがいても大きく足を上げるゆったりモーションに加え、球速そのものの遅さもあって盗塁成功は計算できるだろう。というのが楓音の読みである。


「要は足の速さを生かしたパワープレイになるのかな?」


「そうだね。でも足の速さって言っても、よっぽど遅くない限りはいけると思うけど」


「よっぽどってあんな感じ?」


「の、ノーコメントで」


 春馬は気にせずも、猿政に面と向かって鈍足宣言はできない楓音。しっかり目を逸らす。


 なお1アウト2塁となって4番の近江。


「ストライクスリー、バッターアウト」


「ふにゃあぁ」


 まったくバットに当たらない空振り三振。いつも通りの『当たれば』凄そうなスイングであるも、要は打ち頃の球ですら打つかどうか分からないほど。近江はあっさりと凡退し、琴ヶ浜には1点で抑え切れるかのような雰囲気が流れ始める。


 しかし、


「俺でもこれくらいなら、な」


 5番に座った皆月。寺越を返す左中間へのスリーベース。


『6番、ピッチャー、鍋島くん』


 ツーアウト3塁となって先発ピッチャー・鍋島が打席へ。ここから1年生打順だが、この鍋島が一塁線を破るツーベースで皆月を返す。さらに、


「ボールバック」


 7番・沖満の打球はセカンドの頭上をフライで越えてセンターの前へと落下。


 3塁コーチの大崎が左腕を勢いよく回し、2塁ランナーの鍋島が一気にホームを突く。


 ショート・岩井が中継に入ってセンターからの送球を受けると、これでこのイニングを終わらせるとばかりにバックホーム。キャッチャーはホームを跨いで立って走路を塞いでいる。


『(鍋島、無理すんなよ)』


 他のメンバーなら背後に回り込み左手でタッチが常套手段。しかし左投げ投手の鍋島には無理してほしくない。その春馬の思いが届いたか、鍋島自身のピッチャー意識か、キャッチャーの足の間を狙ったスライディング。受けたキャッチャーがしゃがみこみブロックしながらタッチにくる。


 少しスライディングの勢いが強かった鍋島と、ブロックしたキャッチャーが交錯。


 鍋島は反射的に右腕で頭を守るも彼女の胴体と勢いよく激突した。


 そのギリギリのワンプレーに球審のジャッジは、


「アウトっ」


 腕が上がった。


 沖満のヒットがタイムリーになるかと思われたが、外野前進守備と岩井の上手い中継に阻まれた。この回はわずか3得点に終わる。守備のチームである蛍が丘高校にとって3点は大きいが、琴ヶ浜相手と考えると物足りないところだ。


「仕方ない、か」


 スリーアウトを取られた蛍が丘。春馬は諦めたような言い方でベンチから足を踏み出す。


「守備だぞ。行ってこい」


 ネクストで準備していた島沢、その次打者である優奈にも声をかけてホームへ。


「鍋島」


 アウトを取って嬉々としてベンチへ戻る琴ヶ浜ナイン。彼女らの背を目にしながら鍋島へと声をかける。


「どうしましたか? 先輩」


 2塁からの激走のせいか、もしくは別の要因か。少し顔を赤らめた彼は聞き返す。


「一応聞くけど、足、大丈夫か?」


「足?」


「ちょっとキャッチャーのブロックが下手だったからな。ギロチンされたろ」


 鍋島はキャッチャー・橘の足の間にめがけて滑り込んでいる。捕球後の彼女はそこから勢いよくしゃがみ込んだのだから、鍋島にとっては足にほぼ全体重をかけられたような感じ。春馬にとってもそう見えていた。


「い、いえ。体重はかけられていないです……けど」


「けど?」


 聞き返すと再び顔を赤らめる鍋島。


「その……なんだ。切り替えてな」


「は、はい」


 ベンチに走って戻った鍋島は、最上からスポーツドリンクを一杯だけもらい、グローブを手に今度はマウンドへ走り去っていく。そんな嵐のような男が去った後のベンチに、遅れて春馬が戻ってくる。


「新田。鍋島、なんだって?」


「なぁ、最上」


「ん?」


「純朴な男子高校生が、初めて女子と接触プレーになった感覚ってどんなんだと思う?」


 そう言われた最上はなんとなく鍋島の心情を察しつつ、


「そりゃあ、あたふたするわな。ピッチングに影響がなければいいけど」


 半笑いで対応。


 鍋島の接触はただ足が当たったわけではなく、本塁突入の勢いで胴体同士の衝突になっている。と言っても、別に抱き着くような形や、彼女の胸に飛び込むような形になったわけではない。しかし異性慣れしていない鍋島にとっては、そうしたところもかなり過敏に反応してしまう様子である。


「向こうのキャッチャーは気にしている様子はない。当然と言えば当然か」


 鍋島と相手キャッチャー。その対比をしながら一息つく。


「ほんと、野球している女子ってのはどうも男勝りな子が多いな」


「外野見てみろよ。癒しがいるぜ?」


「内野見てみろよ。男勝りがいるぞ?」


 最上は楓音・優奈を見ながら、春馬は近江姉・沖満を見ながら言い合い。


 なんなら癒しの内、片方はただの野球バカ。そうなると実質的な癒しは4人中1人である。まさしく蛍が丘野球部は紅一点の野球部である。間違いない。

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