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狼領主の末息子と魔法使いの弟子  作者: 深月 涼
アライス16歳、使者たちと邂逅する
9/16

アライスと歴史の裏事情

 マリーン師匠のもとで生活するようになって、あっという間に半年が過ぎました。

 私が“こちら”に来て、もう2年です。

 師匠に出される宿題もだんだんと難しくなっていきましたが、でも不思議とそれが嫌ではありませんでした。

 それに何より、師匠と話すのがこう、意外と楽しいんですよね。

 年の功って言うんですか?こういうのも。

 時にはこちらに来る以前、学校で勉強した事とかまで話したりする事もあります。

 一応……出どころはぼかしているつもりですが、なんとなくバレている気もします……。


 そうそう、そんな師匠との話の中で実際に実践……じゃないですけど、研究してみようという事になったものも、いくつかあるんですよ。

 例えば、お酒についてですとか。

 今いるこの場所……この地域は麦を主に育てていて……普段は麦粥にするのが多いのかな?

 大麦がほとんどのせいか、同じ麦でも小麦と違ってパンやメンには向かないそうなんです。

 気が向くと出たりするんですけどね、固いパンやらマカロニかパスタかって感じのぶつ切りボソボソ麺。

 で、その同じ麦から、師匠もよく飲むエールというお酒ができるらしいんですが……。

 エールって、ビールですよね?

 少なくとも、私には違いが分からないです。

 あ、ビールは冷やして飲むとおいしいみたいですけど、エールはあまり冷やさないですね。氷が無いから仕方ないのかもしれないですけど。

 今度川で冷やすとか、雪で冷やすとかしてみてもいいのかもしれません。師匠に言ってみようかな。

 ……って、話がそれました。

 何の話がしたかったかっていうと、そう、ウィスキーの話なんですよ。

 確かあれも、麦のお酒でしたよね?

 蒸留という方法を使えば、エールとも違うお酒ができる……かも?と言ったところ、師匠にかなりの勢いでガブリ寄られました。

 もっとも、私自身そう詳しい話を知っているわけではありません。

 何となくテレビで見た知識を伝え、機械の姿を絵に描き起こして、後は師匠に丸投げする事になりました。

 工場生産とまではいかなくとも小さな設備を作り、農家のおじさんたちも巻き込みながら、長期戦覚悟で腰を据えてじっくり研究するらしいです。

 上手くいけばこの土地の新しい名産品になりますね、って言ったら、おじさんたちも明るい顔してやる気になってくれたみたいです。

 言い出しっぺの立場もある事ですし、是非成功して欲しいところです。

 それにしても、夕食時の雑談がこれほどまでに大ごとになるなんて……お酒の力ってすごいんですね……。

 それと、まさか朝の連続大河が役に立つ日が来るとは思いませんでした。

 今までうっとおしがっててごめんなさい、本当のお父さん……。


 ニコとお兄さんは、相変わらずな感じです。

 さすがに毎日という事はなくなりましたが、それでも数日おきに様子を見に来てくれます。

 この前空いた時間に村の子供たちと遊んでいた時も、一緒になって混ざって遊んでましたっけ。

 チャンバラやらサッカーっぽい玉けり遊びやら、身分問わず、男の子たちはどうも荒っぽい事が好きみたいです。

 休憩がてら“カメのニンジャが人喰い巨人をやっつける”話をしたら、子供たちよりニコの方がハマっちゃったみたいで。

 お兄さんが呆れて見てました。

 普通なら正々堂々と勝負しろ、とか、騎士が活躍する話とかに憧れるもんなんじゃないんですか?特にニコみたいな人だったら。


 そういえば……お兄さんもお兄さんで謎、なんですよねー。

 ここへ来て半年から1年ほどは、ほとんど会話らしいこともしていなかったのに、師匠の家に住むようになってからは頻繁に顔を見せに来て。

 ニコの護衛というだけならまだ分かるんですけど、私に対してはてっきり興味が無くなったんだと思ってましたから、今みたいにあれこれお世話されるのが不思議でしょうがないです。

 かといってほっとかれるのも寂しいので、あまりつつきたくない部分ではあるんですが……。


 ―――カッ!!

「うおっ!?」

「まぶしっ!?」

「……うん、これなら一応成功、ですかね」

 師匠の畑向こうにある森。

 その森に入ってすぐのところで、私はちょっとした実験をしていました。

 鉱石の勉強を始めてから、一度やってみたかったんです……閃光玉。

 たまたま来ていたニコとランスお兄さんは、私が森に入ると知ったらついて来ると言ってきかなかったので、お披露目も兼ねて一緒に来てもらいました。

 本人たちに言わせると「何かあったらどうする」「危ないから守ってやる」って事らしいですけど、後ろを振り向けば師匠の畑が見える位置で危ないも何もないと思うんですよね……。

 閃光玉の原料は、科学の実験でおなじみ『マグネシウム』。

 師匠から聞いた時の名前は少し違いましたけど性質についての説明がまんまだったので、これはマグネシウムだと判断する事にしました。

 あとはそれに火をつけて燃やすだけ……などとお気楽に考えていましたが、これが人の手を離れた後に着火するとなると意外と難しくて、全然光らなかったんですよねー。

 理想としてはぶつかると光る、ってタイプがよかったんですけど、なかなかそこまではいかないです。

 まだまだ改良が必要のようですね。

 それにしても、案外あなどれないもんですねー、マンガって。

 日本にいた頃に従兄から借りた『金狼回帰ファイル』の内容を思い出しながら、大河といい人生何が役に立つかわからないな、としみじみ思っていました。


「うー、まだ目がちかちかする」

「大丈夫ですか」

「しばらく目をつぶっているか……少し冷やしてみますか?」

 成功すれば結構な威力が出ると知っていたのであまり深くない位置でやってみたんですけど、それでもこの状態ですか。

 これなら夜、不審者に使ったとしても十分足止めできそうですね。

 ……お姫さま方辺りにでも、横流しするべきでしょうか……。

 師匠と一度、相談してみましょう。

「おにいさん、ニコを連れて師匠の家に行きましょう。濡れた布巾くらいしかありませんが、何もしないよりはマシだと思います」

 もしかしたら、目薬の1つでもあるかもしれませんし。

「ったく、しゃーないっスねー。ほれ、ニコ様、お手をどうぞ」

「……嫌がらせだ……」

 片手で顔の半分を覆い、もう片方の手で気取った風に差し出されたランスお兄さんの手をつかみます。

 いつも声をかけているおねーさんみたいな扱いをされたせいか、ニコの顔はいつになく不機嫌そうでした。


 ちなみにこの閃光玉、師匠と相談した結果防犯用として城にいくつか卸されたあと、普段から森に入ったりする事が多い何人かの領民たちにも渡されて、本来の意味でも活躍する事になるのです。

 あ、また光った。

 

「ふー」

「だから言ったでしょう、ちゃんと目は閉じておいてくださいねって」

「あそこまで光るとは思わなかったんだ」

「まあ中途半端に光っただけじゃ、けん制にも妨害にもなりゃしませんから」

 家に戻って一息つきます。

 幸いにもニコの目はそれほどひどくなく、冷やしているうちにちゃんと見えるようになってきたようです。

 やった本人が言うのもなんですが……ちょっと、ホッ。

「……お前さん、あれ、何に使うつもりだったんだ?」

「え、特に」

 何と言いますか、知っているものや覚えた事を使って急にこう、実践したくなっただけですから。

 それが閃光玉だったのは自分でもどうかと思いますが……できると思ってしまったんですからしょうがないです。

 科学の実験って、どうしてこうもわくわくするんでしょうね。

 それに師匠に説明した時だって「やってみればええ」って特に止められませんでしたし、むしろ本や素材になりそうなものや、詰まった時にはアドバイスまでもらっちゃったくらいですし……。

 だから、こっちの世界では子供だから危ないって言って止めたりする範囲が向こう……現代の日本とは違うのかなって。

「……危ねえな」

 お兄さんは何かをぼそりとつぶやきましたが、小さすぎて何と言ったのかわかりませんでした。


「……ところでさ、お前まだその格好なのか?」

「これ、ですか?」

「ああ。お前女なのに、いつまで男の恰好してんだよ」

 急に言いだすから、何かと思ったじゃないですか。

「いつまでって……いつまででしょう?」

「別に―――マリーン師に強制されているわけではないんだろう?」

「違いますよ。んーと、楽だから?」

「色気の無い(ねえ)ご回答どうもありがとうな。ったく、その歳で女を捨てるにはまだ早すぎると、兄ちゃんはつくづく思うぞ?」

 失礼な、別に全部捨てるつもりはありませんよ。

「持っていないという訳ではないんだろう?」

「え、あ、はい。ここに引っ越してくる時に、何枚か頂きました」

 出どころはよくわかりませんが、ドレスっぽい服が1着と、普段農家の女性が着るような服が数着。

 返そうにも返すあてなどないので、おとなしく「労働で返します」と言ったら「ホッホッホ」って笑われちゃいましたけど。

「たまには着てみたらどうだ?」

 お兄さんが言うと、どこか怪しげに聞こえるんですが……。

「そうですね、忙しくない時にでも」

 それと、汚れ仕事のない時に。

 んん?そんなタイミング、ありましたっけ?

「おお、期待してるぞ!……ニコ様が」

「お、俺か!?い、いやその、別にどうしても見てみたいという訳では……っ」

「ふっふっふー、そんなこと言っちゃってー。まんざらでもないんでしょうにー」

 ……思うんですけどお兄さんって、いつもニコ様に対して結構いい加減な言葉遣いですけど……それっていいんでしょうか?

 ここに来る時はいつも2人だけで来てますし、親しい事そのものは悪くないと思うんですが……身分って、そういうものじゃないんじゃないかなー……って。

 ……自分でも、何言っているのか分からなくなってきました。


「別に、何かこだわりがあってその格好をしている、というのでなければいい」

 こほん、と1つせき払い。

 そしてニコは、とんでもない事を言ってきたのです。

「義姉上たちが、またお前と会いたいとおっしゃっている。なのでその時には、またしかるべき衣装に着替えてもらう事になるな。当然だが準備はこちらですべて行うので、お前は身1つで城に来ればいい」

 は、い?

「会いたい、ですか?」

「ああ。ぜひ一緒に茶を飲みたいと。父上も顔を見せるかも知れんと言っていたが、義姉上たちはできれば女だけで、と言っていたな」

 これはいわゆる、女子会……ってやつですか。

「それって当然私と、ですよね?」

「他に誰がいる」

「送迎は俺がやるから、とりあえずお前さんはスカート履いて待ってろ」

 な、って軽く言いますけどね、お兄さん!

 私、お城に上がれるような人間じゃないって、わかってて言ってます!?

「あの、それ、師匠には……」

「たった今、聞きましたな」

「「!?」」

 音もなく、いつの間にか背後に立っていたのは師匠。

 出先から戻ってきたみたいですね。

 師匠はここ最近忙しくて、おまけに村のお医者さんみたいな事もしているせいか、午後のこの時間、めったに家にいません。

「あ、師匠。おかえりなさいです」

「うむ、ただいまじゃ。……さて?本来ならばここにおるべきでないお2人方には、ちょいと聞きたい事があるんですがのう……」

 ……おじいちゃんの凄みって、迫力あるんですね……。

「いえあの、俺たちはアライスに伝言があってー、ですねー」

「そう、そうだとも!決して森で遊んでいたわけでは……」

「ちょ!?ニコ様!?アライス、お前からも何とか」

「アライス、夕食の支度を頼む」

 あ、もうそんな時間ですか。

「はい、わかりました」

「ああっ、素直なのも時と場合によるんだってー!!」

 お兄さんの悲鳴を後に、私は台所に立つ事にしました。

 今日のお夕飯、なんにしようかなー。

 野菜を切って、出たくずをたっぷりの水と一緒になべに入れて火にかけます。

 たまに鳥を〆るのでその時には鶏がらスープになるんですが、できればかつぶしか昆布が欲しいところですねえ……。

 

 何も知らなかった私がのほほんと構えている間に、どうやら事態はちゃくちゃくと進行していったようです。

 師匠やご領主は、きっとそれに気づいていたのでしょう。

 翌日ひさびさに再開された授業は、この国を含めた3つの近い国どうしの関係についてでした。

「少し詳しく教えておいた方がよさそうなんでな」

「そうなんですか?」

「ああ……」

 珍しく言いにくそうに口ごもった師匠は、それでも気を取り直して授業を再開します。

「ブリタニアとアイルランドの仲の悪さについては、先日も言った通り。じゃがその間に入り、調停役として機能し、時に隙を突いて領土を拡大させてきたのがイングランドじゃ」

「漁夫の利、ですよね」

「左様。しからば何故イングランドのみ滅んだのかと言えば、それもまたこの2国の争い、それにまきこまれたが故の事なのじゃよ」

「ええと、内戦や侵略戦争に介入して、代理戦争みたいになった……って」

 いわゆる、冷たい戦争、とかいうやつでしょうか。

「ブリタニアとイングランド、イングランドとアイルランド。それぞれに同盟を結ぶ話が持ち上がっておってな。本当のところがどうであったかまでは分からんが、当然そんなものは同時には結べん。特に当時のアイルランド王は激怒してな。じゃがしばらくは何もせなんだ。いや、まさに油を煮立てていた状態じゃったんじゃな。後日アイルランド国内のイングランドにほど近いとある地方において、王の血を引くという若者を立てた反乱軍が蜂起する事件が起こった。王はそれを退けたが、首謀者は海を渡った。結果どうなったと思うかね?……アイルランドは国境を、海を越え、その若者を追ったのじゃよ」

「それって……普通に侵略ですよね?」

 例えば、国際的に逃亡する犯罪者を警察とかが追うのとは、訳が違うというのは私にもわかります。

「うむ。そういう、大義名分にしたのじゃ。ブリタニアは出遅れ、かくしてイングランド国内に戦が巻き起こることと相成った。アイルランド国王軍本隊は早々に自国へと戻ったものの、今度はイングランド内での火種が火炎の嵐となってイングランド中を席巻した。寝返り、暗殺、略奪の嵐と、それはもうひどい有様じゃったわい」

 ……見て来たような言い方してますけど、師匠も当時、そこにいたんでしょうか?


「さて。ブリタニアとアイルランドという2国に挟まれた、やや小さな国であったイングランドが、ここに至るまで何故国家として歴史を刻んで来たか。それにはいささかの理由があっての」

 この世界のブリタニアは、結構あちこち手を伸ばして国土を広げてきた歴史があるみたいで、そう考えるとちょっと乱暴っぽいイメージのアイルランドの事、言えないんじゃないかと思う事もあります。

 ここのご領主さまとか、ご近所の農家のおじさんおばさんみていると、とてもそんな風には見えないんですけどね……。

 それはともかく。

「理由、ですか?」

「そうじゃ」

 話を聞いている限り、ケンカっぱやそうな2国の事です。

 有利だと思ったら攻め入って自国の領土にしようと考えるくらいするのは、何も不思議な事ではありません。

 2国に限らず、どこでもあり得そうですけどね。日本だってあった事ですし。


「それはな、かの国が“聖杯”を所持して……(まつ)っておったからじゃよ」

「聖杯……ですか」

 どこかで聞いたことあるような話が出てきました。

 主にファンタジーな方面で。

「聖杯はこの地域―――3国だけでなく他にも広く伝わる神聖なる祭器でな。特にそれを所持するという事は、守るべき血筋であるということの証明にもなる。つまり、王位の正当性をも保証することになるのじゃ」

「……別に、何か不思議な力があったりとか、何でも願い事をかなえたりとか……」

「さての、遠い昔にはそのような事もあったそうじゃが……」

 ……今、あからさまに目をそらしましたね?師匠。

 どこまで本当なんでしょう、その話。

「ともかく、アイルランドはそれをも聞きつけたのじゃろうな、血眼になって捜したと聞いておる。そのせいで、多くの無辜の民が犠牲になったとも」

 ……。

「当時わしはイングランド王宮に勤めておっての。脱出する際に王に頼まれ、教会の大聖堂に祀られておった聖杯をすりかえた末に“中身”だけは何とか持ち出せたんじゃが……」

 中身、ですか?え、それ、肝心の聖杯は?

「先日も教えたであろう?王は(たお)れ、姫君は行方不明である、とな。……恐らくではあるが、本物の聖杯も王女殿下と共にある。故、アイルランドは王女と聖杯を今もなお捜しておるのじゃ」

 ざっとですが学んできたこの国を取り巻く世界の歴史の中に、そんな“聖杯”なんてものが隠されていたなんて……。

 唐突にファンタジー世界に放り込まれた気分です。

 ……まさか、本当に魔法が使えるようになったりとか……しませんよね?

「私、ドラゴンとか魔法使いとか、てっきり全部ただのおとぎ話だと思っていました」

「ほ?お前さんはそういったものは信じない方かね?」

「……」

 言い訳をさせてもらえるのなら、やっぱりこれでしょうか。

『だって、科学の世界から来たんですよ?私は』

 そう簡単に、それこそ目の前で見せられでもしなければ、信じられやしませんって!


「聖杯が無い故、いまだイングランドの王座は空位。しかし見る者が見ればすぐにわかるもの。内乱……の体裁をとった侵略戦争は、ここからは随分とはなれた場所で起こっておっての。それ故かどうもこの地方に住む方々はのんびり構えて居る節がある。ご領主殿はさすがにそうもいかんようじゃが」

 ああ、だから私が最初にこの話を聞いた時、ご領主さまもどこか他人事みたいに仰っていたんですね。

「……お前さんの容姿は、あの国の姫の特徴と一致しておるらしい。わしも直接お目にかかった事が無いのでの、定かではないのじゃが」

 王宮に勤めているのに会った事が無いって、そんなのってあるんでしょうか?

 それともお姫様だけ別の場所にいた、とかですか?

 この話には今のところ関係なさそうですが、そうですね、師匠が詳しいというのなら、時間のある時にでもまた、イングランド王宮について聞いてみるのもいいかもしれません。

「わしがこの領に身を寄せて居るのを知り、何やら嗅ぎまわっとる者もおるらしい。ランスがの、そんな情報を寄こしよった」

「お兄さんが、ですか?」

 そう、不思議と言えばお兄さんの事です。

 いつもどこから聞いたのか分からないような情報を、さらっと教えてくれたりするんですよね。

 女の人絡みじゃないかと、私は睨んでいるんですが。

 ……いつか刺されませんように。

「そういう訳じゃから、お前さんも重々身辺には気をつけるようにの」

「は、はい」

 でも気をつけるって何を、どうやって?

 ……と、いいますか、ですね。

 これって完全に私、とばっちりじゃないですか?





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