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俺、元兵士、奴隷買いました。  作者: 岩塩龍
第一章・高慢エルフ買いました。
8/203

8話・決闘、備えました。

20150318:編集しました。かなり短くなりました。

 ―武元曹駛―


 目を覚ます。

 目に映るのは女の子の泣き顔。耳に届いてくるのはすすり泣く声。


「レフィ……ここまで、運んでくれたのか」


 ここは、俺の部屋だな、多分。

 あの後、レフィが運んでくれたのだろう。


「そ、曹駛……?」


 まるで信じられない物を見る目で、こちらを見ている。まぁ、そうだろうな。


「夢……じゃ、ないよね……」

「ああ、そうだ……夢じゃない、俺は生きている」


 俺は、手を伸ばし、レフィの頭をそっと撫でた……なんか、撫でたくなった。このレフィを見ていたら……。

 瞬間、レフィの顔が崩れる。


「し、死んだかと思ったわよ……こ、この……ばかぁ……」

「悪かった……」


 俺は、レフィが落ち着くまで、頭を撫で続けた。


「意外と、泣き虫だな」


 やっと泣き止んだレフィに対してそう言う。

 なんか、イメージと違うというか、まるで、最初に家に来た時のようというか。


「……忘れてよ、その、恥ずかしいから……」


 顔を真っ赤にしたレフィがもじもじとしながらそう言う。

 可愛いな。いつもこうなら……いや、それはそれで面倒くさいかな。いつもと違うから可愛いんだろうな。いわゆるギャップ萌えというやつだろう。

 まぁ、今の状況はあまりよろしくない。このレフィの可愛さを堪能していられる状況ではないんだよな。

 俺の意識は、少しだけあった。あの時な。

 ミットに放り投げられた時、地面との衝突時のショックで、一時的にだが、朦朧とはしていたが、意識が戻った。その後、また気を失ってしまったのだが、聞いてしまった。

聞こえてしまった。

 決闘だ。と。

 平和的ではない。実に暴力的な考えだ。だが、安直でいいとは思う。


「レフィ、決闘、申し込まれたんだよな」

「……知っていたの?」

「ああ、微妙に、聞こえていた。ただ、日時と場所が知らん」

「………」

「教えてくれ」

「いやよ……」

「頼む」

「だめよ……今度は、今度こそ死んでしまうじゃない」

「大丈夫だ、あんときは不意を突かれただけ……って、あの日からどれくらい経った?」

「一日よ、だから、無理よ、もっと無理よ。傷だって治ってないはずよ」


 一日か。うーん。まぁ、久しぶりだし、そんなものか。

 最近はこう言った痛みも無かったからな。


「大丈夫だ、だから教えろ」


 俺は、服をまくり上げ、自分の腹を見せながらそう言った。


「あ、あれ? そ、曹駛、き、傷は?」

「まぁ、なんだ、ちょっと、特殊な体でな、治りが早い」


 まぁ、嘘っちゃ嘘だ。本当っちゃ本当だけど。


「で、どこだ」

「……それでも、言えない……」

「……はぁ……なかなか意固地だな、お前も」


 レフィは、口を一文字にし、何も言わないという意思を表している。

 だからといって、レフィ……俺は、お前の口から聞く他にも、お前に聞く手段は持っている。


「でも、俺は、どうしても行かなきゃいけないんだ」

「………」

「だから、先に謝る。悪い……」


 少し気絶するかもしれないからな。先に謝っておいた。

 俺は、また手を伸ばし、人差し指をレフィのおでこにそっとあてる。

 すると、レフィは、力を失ったかのように、倒れてくる。

 よし、分かった。

 まぁ、久しぶりにしたけど、成功したぞ。

 久しぶりに使った魔法が、これか。せっかくだし、もっとかっこいい魔法が良かったな。


記憶強盗。


 名前こそなんやら凶悪染みているが、やっていることはただの覗き見だ。

 本当に記憶を奪い去ってしまうのは、記憶強奪のほうだ。一応、記憶強盗の上位交換の魔法なのだが……あれは、使う側も使われる側も大きな反動があるって聞いたし、ここで使う意味もないから、こっちで十分だろう。

 魔力と体力の消耗を感じる。

 やっぱ、非戦闘魔法は苦手だ。

 息を切らしながら、俺は、無駄遣いによる産物の大量にある不要物で出来た山をかき分け、随分と懐かしい、巨大なランスと、これまたでかいタワーシールド。それに、安っぽい服と鎧を見つけだし、装備した。

 日にちの指定は無い。だが、修練場を指定してきたと言うことは、何時でもいいということだろう。

 なら、今日の内に行かせてもらおう。

 一日でも早い方がいいからな。

 この装備は、もう型落ちレベルで古いかもしれない。まぁ、魔法や機会でもないんだし、また流行るかもしれないけど。武器の流行は、変わるだろうしな。まぁ、それでも、古いっちゃ古いけどな。まぁ、鎧と服はともかく、武器と盾の見た目だけは、新品同様だけどな。


「ああ、その……まぁ、行ってくる……」


 格好つけようとはしたけど、まぁ、格好悪い台詞だな。というか、いつも通りというか。

 俺は、せめて見た目だけでも格好つけようと、後ろを振り向かずに片手を上げ、家を出た。


20150318

レフィ視点を全てカットしました。

なので、かなり短くなっております。ただし、大まかな内容的はあまり変わっておりません。

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