59、5話・僕と君のデート。
文字数の少なさとドットから察するかもしれませんが、かなりどうでもいい内容です。岩塩龍がおかしくなってしまっただけです。いや、なんか今日の岩塩龍はおかしかった。そう処理してください。それと、ほぼほぼ本編と関係ありません。読まなくていいかもしれません。あと、デートと言う文字に騙されないでください。そんなドキドキな展開は有りません。レフィもテンチェリィも出てきません。とりあえず、普通にすいません。
―武元曹駛―
今日もいい天気。
俺は噴水の前である人を待って居た。
きっと来てくれるはずだ。それは、俺の独り善がりな願いでしかないのだが、でも、俺は不思議と来てくれると信じていた。
あんなにひどいことをしたのだ。来なくとも仕方ない。
そう思っていた……。
「グルッ……いや、曹駛くん」
グルックと言う偽名を途中まで言いかけたが、その後俺の本名を呼ぶ。
その声は……その声の主は……
椎川満曳だ……
「来て……くれたのか……」
「うん。当たり前だよ」
「でも、俺は……」
お前を殺しかけた……俺は、そう続けようとした、だが、満曳はいつだかの受付のお姉さんのように、人差し指を俺の口に当て、言葉を止めてきた。
「いいよ、分かってる。君は最初から僕を殺す気が無かったことくらい、ね。だって、君は僕の心臓にナイフを刺したように見せかけて、実は肋骨で止まるような箇所に投げたんでしょ」
「で、でも……」
「いいってば、だって、そうでしょ、君も反省しているみたいだし、奇跡的に死人も誰一人でなかったしね、君だって、お詫びとして僕に本当の名前を教えでくれたんでしょ」
「それは、そう、だけど……」
違う。
そうじゃない。
本当は、満曳の気を引きたかっただけだ。
「まぁ、いいや、今日はデート、するんでしょ……エスコートお願いねっ☆」
満曳のその満面の笑みに、俺は……
「あ、ああ」
少し戸惑いながらも手を取り歩みを進めた。
いくつか店を回り、満曳の服を見たり買ったりした。
そして、時間はすでにお昼時。
「お腹減ったね、曹駛くん」
「ああ、そうだな……」
満曳の笑顔にはまだ慣れないままだ。満曳がこちらに笑顔を見せてくるたびに、俺の心臓が大きく高鳴る。
ドキドキが止まらない。むしろ胃の中身を吐きそうなくらいだ。
それに、時折風に乗ってくる、満曳の石鹸のような爽やかな匂いもまた俺の心拍数を跳ね上げる。
ドクン……ドクン……
ああ、俺の鼓動が満曳に聞こえてないか心配だ。
「どうしたの? 顔赤いけど、大丈夫?」
「だ、大丈夫だ」
どうやら、いつの間にか顔に出てしまっていたようだ。まぁ、ポーカーフェイスは大の苦手だからな。
「そ、そんなことより飯を食おうぜ」
話を逸らして、顔を赤くしている事には触れられないようにした。
「う、うん、けど、大丈夫なの?」
「だ、大丈夫だ、俺は元兵士だぜ、そんな簡単にへたる訳ないだろ、さ、行くぞ」
俺は、また、満曳の手を取りその辺のファミリーレストランに入りそこで食事を済ませ、午後からまた、ショッピングを楽しんだ。
そして、楽しかった一日は瞬く間に過ぎ去ってゆき、気づけば、外は暗くなっていた。
「今日はありがとう。楽しかったよ、曹駛くん」
俺たちは、この国で一番高い建物の屋上にいた。
そこからは、綺麗な夜景が見える。
頬を撫でる風は既に冷たい季節だ。この時間帯に外を出歩くのは、風邪をひきそうだしあまりよくないな。
「ああ、俺も楽しかった。その……ごめんな」
俺は、謝った。謝らなければいけなかった。
「だから、気にしてないって。分かっていたから、信じていたから……君をっ……」
満曳が、俺に抱き着いて来た。
またしても心拍数が跳ね上がる。
「ちょっと、寒いね」
俺の懐でそう呟く満曳の顔は、暗闇の中でも分かるくらい真っ赤だ。
「心臓、ドクンドクン動いてる、もしかして、曹駛くんも緊張している?」
ああ、聞かれてしまったか。俺の心臓の音。
もういいか。隠すのは。
「ああ、緊張している。今に越した事じゃない、今日一日中ずっと緊張していた」
「そ……そうなんだ、ぼ、僕も……ずっと、緊張していた……よ……?」
ああ、なんだろう。ここで、告白、しなきゃだよな……。
「そ、そのな、まるで夢を見ているみたいだった。今日一日」
「うん、そうだね」
「だから、俺、おまえに伝えなきゃいけないことが……「駄目だよ」」
俺の告白は、満曳の声に阻まれて行き場を失い、俺の中で止まった。
「そう、まるで夢みたい。そんな夢。だから、目覚めなきゃだよ、曹駛くん」
「どういうことだ?」
意味が分からない。
「そのままの意味かな、それに、君の心もまた、嘘で出来ているんだから」
「だから、どういうことだよ」
余計に意味が分からなくなった。
「じゃあね、また会おう」
「じゃあねって……」
気づけば、満曳は俺の目に前から姿を消していた。
辺りを探してもいない。
どこにも見当たらない。
満曳どころか、俺以外誰も見つからない。
これは、どういう?
俺の体力が切れたのか、その場で気を失ってしまった。
もう一度言います、満曳は男です。男です。
大切な事なんで二回言いました。
あと、岩塩龍さんは普通に女の子が好きです。今日はたまたまおかしかっただけです。むしろ女の子だけでいいです。男居なくてもいいほどなんで……。
それと、今日は、なんかすいませんでした。




