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俺、元兵士、奴隷買いました。  作者: 岩塩龍
第十一章・私は、ここにいる。君は……
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187話・私はここにいる。だから……

かなり間隔空いてすいません。

そして、短くてすいません。


 ―レフィ=パーバド―


 そこそこ長い道のりを越えて、変更された目的地に到着した。

 門番と思わしき男性とやり取りしているバリュールとフォートをぼんやり眺めつつ、私はM・D・Bと会話をしていた。


「うげぇ……マジで長かった。俺を戦闘要員かなんかと勘違いしてるんじゃないのか?」


 M・D・Bが文句を言う。


「あなたは、戦闘要員じゃなかったっけ?」


 最初に会ったときそう言っていたと記憶しているけど。


「いや、違う。俺はあくまで戦闘要員的な物であって戦闘要員では無い。そこの差よろしく。どっちかというと、武器管理とか技術的な方のお仕事希望」

「それなのになんで戦場に出て来てるのよ」


 そういう希望のでそういう仕事をしてるなら、戦場に出ることは少ないと思うが。特に小規模の隊に配属はされないかと思う。


「いや、まぁ、武器が使えるって事で、戦闘要員の中に入っているには入っているからな」

「戦闘要員じゃないの」

「まぁ、ね」


 結局、戦闘員なんじゃない。もうちょっと体力をつけた方がいいと思う。


「それで、着いたわけだが、うんまぁ、でかい国だな」

「そうね」


 M・D・Bがそんな率直で中身が特にない感想を述べたあたりで、門番とやり取りしていたフォートが声を掛けて来た。


「おーい、二人とも、こっちに来てくれ」


 呼ばれたので、門番の元に向かって見る。


「えっと、なにか?」


 門番の男に対して尋ねる。


「いや、特に用事ってわけじゃないが、二人がバリュールさんとフォートさんの連れって事でいいんだな」

「ええ」

「そうなるね」

「よし、分かった。じゃあ、入国はおっけー。まぁ、入国拒否とか盗賊や山賊でもない限りそういうの無いんだけどな。ははは」


 こういった門番を見ると木尾さんを思い出す。もしや、曹駛も同じことを思ったかもしれない。


「どうした、なんかおかしかったか。まぁ、確かにここの門番は楽でいいが、そんなネタみたいに言ったつもりはないのだけどな」


 いつの間にか笑っていたらしい。

 曹駛の事を思い出して、笑う……か。やっぱり、この気持ちは本当だし。私は曹駛の味方であり続けるつもりなんだな。


 この3人を裏切ってでも。


「さてと、じゃあ、入国させてもらうとするか。といっても、この辺り跨ぐだけなんだけどな」


 そういって、フォートが歩いて行き、バリュールもついて行くようにビート王国に入った。


「さて、いきましょ」


 私もそれについて行き、入国した。


 入国して、まず、真っ先に向かう先は王城である。大使かなにかのようにも感じられるが、あながち間違ってないのが、少しおかしく感じた。

 城門でまた門番に止められるかと思ったが、チラッと顔を見せただけで通してくれた。恐らく事前に何か連絡でもあったのだろう。


 お城の中は豪華なうえ広い。当然といえば当然であるが、曹駛の奴隷になってからはずっと、広くて凄い場所で暮らしてばっかりな気がする。

 無人島の時とか、エルフの村で過ごした時とかはそうでもなかったけど。

 別に、無人島とシェイクちゃんの家を同列扱いしている訳ではない。それに、シェイクちゃんの家が狭かったわけでもない。むしろ、一般的に見れば結構大きい方かと。ただ、そのほかが一般的でないだけだ。

 そんな風に今まで、いろんな場所で過ごしたなぁ、と思い浮かべている内に、謁見室に辿り着いたようだ。


「失礼します」


 フォートがそう言って、扉を開けた。

 そこには、一人の男性がいるのみだった。


「いやぁ、どうも、籠手崎です」


 籠手崎……籠手崎 水斗……間違いない。この人が王様。そして、ROJFOHCのメンバーの一人。能力もちでもある。

 一人でいるということは、王城の中はROJFOHCのメンバーだけというわけでもないということだろう。そして、これからはなす事が、ROJFOHCの関係の話だから、人を避けたのだろう。


「それじゃあ、話し合いでも始めようか」


 と、籠手崎が言う。


「さてと、まずは自己紹介だね。お互い、いらないと思うけど」


 そんな前置きをしてから、名乗る。


「僕は籠手崎水斗、よろしく」


 私たちもそれに続けて、名前を名乗って行く。


「俺はフォートだ、よろしく」

「バリュールです」

「D・M・B……まぁ、そう呼んでくれ」


 そして、私も名乗る。


「私は、レフィ=パーバド。よろしく」


 この名前を聞いても別段驚いた様子もなく、話は進む。


「まぁ、立ち話もなんだし、座って話すとしよう」


 そういって、籠手崎は部屋から出た。


「その部屋じゃ大して座る場所もないしね、応接室でも向かうとしよう」


 私たちは籠手崎に着いて行き。その先の応接室で、テーブルを挟むような形で椅子に座った。


「さてと、どこからはなそうか」


 そこから、ROJFOHCのこれからの話でもするのかと思ったが、特段そう言った話をするわけでもなく。国の名物や、観光のおすすめの話などをされた。


「さてと、まぁ、この国の宣伝も終わったところで、そろっと本題の話でもしようか」


 唐突に籠手崎がそう言った。


「もうある程度は知っていると思うから、やってほしいことだけ、言うね」


 口調はそのままで、そういう。


「曹駛および、その仲間の捜索。まぁ、無駄だと思うけどね」


 無駄だと、そう言った。ということは転移したということだろう。


「あとは、そうだね、観光していってよ。どうせ、捜索はあまり意味をなさないだろうから」


 そこで解散となった。

 私は、解散後……曹駛が住んでいた場所を探すことにした。

 つい最近まではいたはずだ、ならば……。


 すぐに分かるはずだ……。


 そして、私は、日が暮れる頃、ある建物の前で足を止めた……






「ここ……きっと……!」






誰に言うでもなく、そう呟いて、私はその場を……去った。




次回から、新章です。一応。

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