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俺、元兵士、奴隷買いました。  作者: 岩塩龍
第一章・高慢エルフ買いました。
11/203

11話・久しく、本気で戦いました。

20150319:編集しました。

今回も基本的には視点の統一だけです。

 ―武元曹駛―


 巨大な、あまりに巨大なドラゴンだ。そう思わねぇか……

 その大きさは、ビル並み。何階建てのビルかは想像にお任せするが、高層ビルって言っていいんじゃないだろうか。ああ、大きい。

 ()()一人でどうにかなる相手ではないだろうな。そもそも、戦いと呼べるものが出来るかどうかも怪しい。

 たぶん、武装した人と、普通のちっちゃい蟻ぐらいの戦力差はあるんじゃないだろうか。きっと、人が蟻を潰すように、ドラゴンが人を潰して対戦終了(ゲームセット)となるだろう。


「本当に、面倒くさいの呼びやがったな……ミット……」


 ドラゴンの咆哮は、空気だけじゃなく地面も揺らす。ああ、軽く吐きそうだぜ。

 その咆哮は、爆風のように周りの物を粉砕していく。


「うるせぇな……さっきの観客の方がまだ静かだったぜ……何も壊れないしな」


 タワーシールドに身を隠し、それを何とかやり過ごしたけど、物凄い手が痺れた。振動って怖いな。

 ただ、今の咆哮で、ミットがやられたっぽい。ああ、本当にどうしようもないな、これ。

 その辺に落ちていた鉄くずをあの大きな、ビルのようなトカゲに投げつけてやった。


金属爆弾(メタルボム)


 そして、鉄くずは爆発した。

 この魔法は、金属を爆破させるという、名前通りの技だ。そして、その威力は対象となった金属の質量に比例する。

 投げつけられる程度の質量だから、さっきミットに使ったほどの威力は出ない。

 まぁ、でもダメージはちゃんと通っているようだ。メインのダメージソースになるとは全く思えないけどな。でも、幸い、この場所には奴がさっき自ら色々壊してくれたおかげで、金属がごろごろと落ちている。メインじゃなくとも、サブくらいには使えるだろ。


「お次は、これだ、電覇気(サンダーオーラ)


 纏うは魔力と気。属性は電気。

 純度と濃度が高い魔力は、魔力単体で力を持ち始める。

 宿るのは電撃。その一撃は落雷と化す。


「喰らえッ!」


 さっきの戦いじゃ、見せなかった魔法だ。なんせ、これを使った所で、一般人から見たって分からないだろうし、さわったら感電するし、これは魔力による身体能力向上もあって、それこそ純粋な力の面だけでもミットを倒せるだろうし、倒していただろうからな。流石にそれは目立ち過ぎだ。また兵士になるかもしれないから、電覇気を使って倒す、その案は却下だった。

 俺は、電気を纏ったランスで突きを放った。

 少し皮膚を焦がしただけか。

 俺は、突きを数発繰り返し、ダメージを与えていく。まぁ、効果があるかどうかは微妙だけど。だが、攻撃されるのを黙って受け入れてくれる訳じゃない。まぁ、唸ってるけど、そう言う意味じゃなくて。

 ドラゴンの攻撃は全て即死攻撃。その巨体から繰り出されるのだ。ただぶつかっただけでも、ただでは済まないだろう。

 そんなドラゴンが大岩のような拳を振り降ろしてきた。

 これは……ちょっと躱せないかな……

 ああ、もう。今日は随分と疲れる日だな。バイトの方がまだ楽だったぜ。

 まぁ、躱せないなら……弾き返すまでだ。


光雷閃槍(ライトニングスピア)


 このやたらでかいランスは、強烈な光を放つ。まぁ、久しぶりに使ったもんで、俺も目がやられた。かっこわりぃ。

 これは、電覇気中のみつかえる技だが、俺が纏う電気を全てランスに集約して攻撃するわざなんだけど……めっちゃ眩しい。ああ、目が痛い。

 とりあえず、これなら、なんとかなるだろ。


「勝負だ、羽根つきトカゲ」


 俺とドラゴンは攻撃を打ち合う。

 勝負は、まぁ、引き分け。

 俺の攻撃で、ドラゴンは右腕を炭化させて、使い物にならなくなった。

 まぁ、そのかわり、俺もドラゴンの一撃を貰った。弾き返すとか言ってたけど。良く考えたら質量的に無理。いくら突きをしたところで、それで攻撃が止まる訳じゃない。

 つまり、何が言いたいかというと。

 全身骨折中。身体が痛いし動かない。


「おい、羽根つきトカゲ」


 まぁ、挑発くらいはしておこう。逃げられても困るからな。


「痛いだろ、お返しにぶっ殺してやる」


 あ、良く考えたら言葉通じるのか?

 まぁ、いいか。

 俺は、再び振り降ろされたドラゴンの拳によって、潰された。

 俺は、死んだのだ。

 そして……


 目を覚ました。


 ここは、水の中か?

 いや、ここは、血の中か。俺の血で出来た水溜りね。嫌だな。

 俺は、少しけだるい体を起こした。

 ドラゴンがまじまじとこちらを見ている。まぁ、殺したはずのやつが生きているんだから、その反応は当然だよな。


「まだまだ終わらねぇよ、逃げるなよ、羽根つきトカゲ」


 俺はまたしても、通じるかどうかわからない安っぽい挑発をした。

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