第四章 お見舞い
俺は凛が入院している病院に続く坂道を登っていた。
と、言うのも、もしかしたらゾフィーの力で凛が目を覚ますかもしれないからだ。
看護師に挨拶を済ませ、期待して早足で病棟の階段を上り、凛の病室へと入った。
「凛……ただいま」
もちろん、返事はない。
「お兄ちゃん、がんばって凛の敵を討ったよ、だからね……早く目覚めてほしいな」
俺は眠っている凛の頭をなでながら言う
【これが相馬の妹か?】
【ああ、名前は凛だ】
ゾフィーにこうなった経緯を説明する。
【ふむ、そうか、それは悲しいことじゃ……わらわはそういう人間のみをこの世から排除した世界を作りたいのじゃ】
【なるほどね……で、どうだ、目覚められそうか?】
ゾフィーは唸り
【難しいのう、ラプラ……わらわの僕じゃがそれくらいのレベルの治癒魔法か、わらわたちがもっと魔力を蓄えなければならないのお】
【そうか……】
俺は期待していた分、海の底に沈まされた気分になった。
【ま、まあそう落ち込む出ない、わらわが付いておる、じゃから、魔力を蓄えるのが先決じゃな】
【そうだな……落ち込んでても仕方ない、やるか!】
俺は思いを奮い立たせるのだった。