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詩集擬き  作者: 針山
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通雨(つゆ)


そこにあるのが愛ならば

ここにあるのは恋なのね

変わらないなんてことを考えながら

一秒前の自分とは違う私がここにはいるの

二分先の明日を見て

一分前の昨日を忘れる

隣を歩いていた貴方が手を伸ばし

前を歩く私は気が付かない

届かないのよ

貴方の手は

届かないのよ

私の背中は

人は感じなきゃ理解しないなんて

愚かで貧しい発想を持つけれど

経験を一番だなんて言い張って

それを否定しても惨めな気分になるだけね

きっと貴方はもう

私の背中を見ていないんでしょう

きっと貴女はもう

彼の背中を見えていないんでしょう

いつから見えなくなったのかさえ解らなくて

気が付けば

気が付いたら

そんな言葉で私は誤魔化して

消えてしまった貴方の背中を

追いかけもせず想っているの

雨が裂く空気の音を聞いて

雨が弾ける地面の音を聞いて

貴方を思い出せば

胸に染みる熱さが

頬を濡らしていくのよ

そうね

そうだったわね

彼を想うこれが愛ならば

私の胸のこれは恋なのね

嫌いじゃない

なんて

どっちの意味だったか

思い出すことを

今は出来ないけれど


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