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早燥(そうそう)
空のアオが蒼になって
空のアカが朱になった
機械の駆動音が地続きに
途切れる事なく降り注ぐ
間際に途切れた金属音が
許されない罪を暴き出す
まごつく私のカナリアが
飛べない籠へ縛り付ける
厳かな懐古を抱く佇まい
固く閉ざされた門扉
枯れ木の庭に
痩せた池
語り騙るは無秩序の音楽
楽器を掻き鳴らして
楽曲を騒ぎ鳴らす
揺れる空の雲が
二色を選べず消えていく
落ちた鳥は
最後は歯車の刃に呑まれて消えた
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