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慢面(まんめん)
こんなにも爆発する
感情を心に飼っているのに
私たちは理性を求められ
本能を否定される
遠くに聞こえた遠吠えを
風のうねりだと言い聞かせ
振り下ろされた鉄くずにも
耐えた心を弱いと言う
何年も忘れて
何時までも壊せなくて
どんなにバラバラになっても
そこにある
どんなに怒っても
君は笑っていたね
どんなに悲しくても
君は笑っていたね
どんなに楽しくても
君は笑っていた
拡声器で作られた声みたいに
君の笑顔は大きく見せられた
まるで本当の声を隠すように
笑って
感情を仕舞い込んだ
さよなら理性
さよなら本能
そこにあるのは
紛い物の偽物
感情という名の
笑顔




