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詩集擬き  作者: 針山
70/355

水底(すいてい)


手を差し伸べて

手を差し伸べて

水底に沈む私を

誰でもいいから掬い上げて

願った言葉は泡となり

祈った両腕は藍となり

光のない深海へと

私の身体が落ちていく

浮かぶ滴は撹拌し

流れる雫は溶解し

光りの筋が貫く眼前

狭い額縁に囚われて

徐々に姿を縮めてく

青と藍と白と黒の世界

煌びやかに厳かに

静寂に静謐に

ゆっくり急速に

別れていく

分れていく

酸素の泡が気泡となりて

水面へと昇って行く

置いてかないでと伸ばした手は

伸ばした手は

伸ばした手は

着地し沈む背中

舞い上がる砂塵が

やがて視界を覆う

耳を澄ませば

おかえりと囁く

何かが聞こえながら


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