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詩集擬き  作者: 針山
63/355

異未(いま)


現状に絶望して

現在に悲観して

現況に失望して

嘆くなんて言うけれど

本当に怖いと思っているのは

続いている未来

この先に続く

変わらぬ今に

深い深い

地獄の淵でも見たような

そんな気持ちになる

今に続いた過去を思い出し

今から続く未来を思い描く

胸が締め付けられ

胸が痛め付けられ

胸が張り裂けそうになる

君の未来はどこから

未来の君はどこから

今を想定して

いるのだろう

呪いのように纏わりつく

今を見て

呪いのように絡みつく

未来を見て

終わらぬ階段を

歩み続ける

降りているのか

登っているのか

それさえ解らず

歩みを止めなければ

歩けることを忘れ

今が大切なら

未来は考えるな

未来が大切なら

今を考えるな

そんな言葉遊びで

惑わされ

それでも歩みを止めなかった君だけが

未来を見ることができる

だからこそ

纏わりついて絡みつく

時間なんて気にせずに

歩き続けた今が君にある

恐れるな

惑わされるな

歩いていれば

辿り着く

どこかに

どこかへ

きっとそれは

歩みを止めなかった

君にしか見えない地平線

楽しみにしてよう

君が果たして

どんな未来にいるのかを

その時に

絶望し

悲観し

失望すればいい

今はただ

歩んでいれば

辿り着けるのだから

未来なんてモノを

見ている暇など

ないのだから

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