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詩集擬き  作者: 針山
56/355

伏純(ふじゅん)


ずっとずっと

残ってるから

風が強くて

目を瞑りながら歩いたあの日

最後になる貴方から届いた

終わりの着信

言い訳と言い訳

もうお互いに会うこともないと

遭ってしまったことを後悔しながら

逢ってしまったことに疼きながら

きっとこれからも一生

抱えて生きていくんだろう

誰にも言わなかった

誰にも言えなかった

二人とも理解している

お遊びの

関係

背中に伸ばした手に

難い難い

心に触って

口をつけられた胸元に

篤い篤い

温もりを感じて

何度も貴方の名前を呼びながら

ごめんなさいと謝った

許してほしいわけじゃなく

ただ罰を受けて

私が悪い事をしていると

罪を背負いたかったから

じゃなきゃ

こんな関係

耐えられなかったから

終わりだと思っていた

これで終わりだと

心のどこかで

安心していた

決して想いを伝える言葉を

口にすることはなく

ただただ私は会う度に

貴方に合う度に

ごめんなさいと

貴方の名前を口にする

風が強く

髪が舞う

貴方が最後の言葉を懸命に

誠実と誠意を伴って

私に届けてくる

知ってた

解ってた

どんな関係だったとしても

私が貴方を

だったことを

貴方が私を

だったことを

それは本当に

本当だったから

積まれていく忘れることの出来ない思い出を

貴方が口にしているのを聞きながら

私は最後の最後に

貴方の思い出に蓋をする

封をして

仕舞ってしまおう

風が強く音が遠く

空は暗く道は見えず

貴方の名前を呼んで

ありがとう


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