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示命(しめい)
一度目は戸惑い
二度目は躊躇し
三度目は決意し
四度目は理解し
五度目は目指し
六度目は悲観し
七度目は決別し
何度目かの
見知らぬ世界で
私は出会いと別れに
慣れた気がした
どんな境遇に陥ろうとも
必ず鳴る鐘の音を見つめ
地を走り
海を渡り
空を駆け
どんな壁が現れても
乗り越えられると信じているから
敗北はいらない
誰にも辿り着けない頂き
ではなく
誰もが辿り着く野原
そこを見据えて
歩き続ける
一人じゃないから
一人だとしても
一人じゃないから
輝くはずの
明日を掴むために




