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詩集擬き  作者: 針山
317/355

病(やまい)

主が私に言いました

世界を救えと

人を救えと

一人残らず平等に

一人残らず均等に

だから私は殺しました

平等に訪れる死を

階級も貧富も能力も

微細に大差なく与えました

けれども

人は拒みました

死を恐れ

私を怖れ

抵抗し反逆し

交戦し徹底し

だから私は増やしました

安寧を持つ私を作りました

苦痛を伴う私を作りました

長期に戦う私を作りました

短期で決す私を作りました

様々な私を作り

色々な私を作り

個々によって効果の違う

私を作りました

けれども

それでも

人々はあがらい続けました

私は私を増やします

人は私を倒します

いつの間にか

安寧の私は安らかさを失い

いつの間にか

苦痛の私は痛みを忘れ

いつの間にか

長期の私は時を伸ばし

いつの間にか

短期の私は尊さを捨て

私は私を私に殺されます

それでも主は

私に命じます

世界に救済を

人々に希望を

だから私は

私は殺します

殺し続けます

忌み嫌われる

私になりながら

平等に均等に

与えられる死を作りながら

いつしか

私に協力する人間が現れ

私と共に

死を与えます

それでも

人間は減りません

人間は消えません

私は消さなければならない

主の意向を

主の威光を

人間に教えるために

私は殺します

殺すことが

私の使命となりながら

私は人間に

殺されながら

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