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進旧(しんきゅう)
回り回った帰り道
誰も通らない景色の中に
僕は君の影を見ていた
歩道橋を渡った階段の
手すりについたガムを避け
閉店間際の商店街を
歩き続けた
出会う人は皆知っていて
名前も知らない
顔見知り
声を聞いてもかけたことなく
アーケードを抜けた先に落ちる茜の影
誰にも会わず
誰かに合って
未来を見ずに
進んだ通学路
曲がったミラーに視線を投げて
暗くなった朝日を背に
僕は君を空に見る
いつか交差する未来を
思い描きながら
僕はただ
この路を歩み続ける
それがきっと
消極的な別れ道と想いながら
僕の行く先に
君の面影はなかった




