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校問(こうもん)
勝利が
勝利が欲しい
輝かしい栄光にまみれた
手垢のついた誰かのものでも
それがただ一つの勝ちだと言うのだから
私は声高く
叫ぶ
ここにいるよ
と
誰も信じない教室
乾いた笑いが渦巻き
星のない夜空を見上げ
綺麗なんて呟くんだ
誰かが叩いた拍手に
お辞儀をしてお別れを
眠れない夜に泣いて
起きなきゃいけない昼に笑おう
そうやってどこまでも広がる地平線みたいに
手を伸ばすなんてバカらしい先を見て
駆け出すんだ
この先に何が待つなんて
想像なんかせずに
楽しみなクリスマスプレゼントのように
砂ぼこりを蹴散らして
裸足で駆けていこう
年中無休こんな調子で
楽しく辛い
明日を歩こう
校庭を抜ければ
広がるのは




