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個室(ゆーとぴあ)
悩みもなにもない
夢の世界に連れてって
しがらみも繋がりも消え去った
孤立した孤独をちょうだい
誰もが初対面の
駅のホームのような出会いにして
視線を上げず声も出さず
パーソナルスペースを確保して
個の世界に閉じこもって
描いた夢を
一人で見続ける
そんな世界に連れてって
管理され押し込められ
自由を奪われてもいいから
それが欲しかった一人の世界
笑顔を忘れて
生き甲斐を捨てても
欲しかった一人の空間
誰も彼も干渉できない
救うなんて言って
関わるヒーローなんて
いらないのだから




