表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集擬き  作者: 針山
259/355

道路(とうる)

足音が聞こえる

食い込み弾く

地面という床を

冷たく無機質な音と共に

弾いていく

一つ二つと

続く音に導かれて

振り向いてみれば

見知らぬ誰かは

どこにもいない

続いている

続いている

音は止まず

足音は止まらない

反響するような

空間の中で

誰かの音だけが

鳴り続けている

耳障りのように

喧しさのように

感じ続けて

鳴り続ける

誰にも言わず

誰にも言えない

心の中でしか呟けない

秘密の言葉

内緒

という意味ではなく

伝達してしまえば

世界が変わるから

変容してしまう世界を

許容なんてできないから

周囲だけが変質し

本質だけが隔絶されて

弾く音が聞こえる

床を

地面ではない硬い箇所を

弾き叩く音が

振り向かずとも知っている

見知らぬ他人の足音

きっと今日もまた

誰かに怯えながら

今日を生きていく

明日を怖がり

明後日を望みながら

足音が聞こえる

硬く弾く

無機質な音が


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ