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『語未拾(ごみひろい)』
急いでた
速く早くと
人生の先にある
体験を経験を
少しでも多く知ろうと
一歩の距離を駆け跳ね
三歩の距離を縮め走り
残り少ない時間を
埋めようと
形振り構わず
求めてた
大事な大事な
今を忘れて
みんなが知る未来は
今があるから積み重なるのに
みんなが見る未来は
今があるから重ね積まるのに
勘違いして
空振って
立ち止まった時には
持っていた沢山のモノを
落としている事に気付いた
だから私は
今
戻りながら拾い上げる
時間は少なく未来は見えない
それでも私は
こうして見つけてきた
落としてしまったそれらを
拾い上げながら
今として大事に
生きている




