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詩集擬き  作者: 針山
225/355

常者必衰(じょうしゃひっすい)

生きるだけでも大変なのに

生き続けないと怒られる

独りになろうともがいても

生きる上には成りきれない

そっと部屋に閉じ籠る

そんな場所さえ難しく

一人きりの世界を作るのに

生きる場所に出なきゃならない

面倒で難解な

嘘八百の八面六臂

愉快で不快な

生きる居場所の環状線

ちょっとだけ

生きるのを止めただけで

ちょっとだけ

生きるのを考えただけで

怒りだす

怒られる

世間に上に

底に隣に

笑って嗤ってワラって

生きることさえ大変なのに

生きるやり方に文句を言われる

好きな生き方と言われても

真に受け進めば怒られる

生きる生き方の下手さ加減

結局みんな

同じになる

決まった生き方を真似して

これでよかったと生き続ける

生きて生きて

生き続けて

生きる世界で手に入れた

独りの部屋で思い出す

生きて生きた

生きる生き方をした

最後まで最期まで

自分に生きた

あの夢の

死に様を


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