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詩集擬き  作者: 針山
221/355

戯光月(げっこうのつき)

二人で見た夜は

いつも同じ薬が転がる

何も知らない私の

お腹が空くの

あの日から

一人になって食べたお弁当

変わらない食材で

変わらないおかず

走り出す眩い光が

頭の中で膨らむ

こんな簡単な世界を

望んでいたんじゃない

意味のない声ばかり

話しかけられても

きっと一人の

顔も残らない

不愉快に染まる

爪の中で

私の皮膚が

剥がれ落ちる

この腐った

世界の中で

貴方と二人で過ごした

あの日から

私は生きています

どうかもう

貴方を許してあげて下さい

きっといつか

認めてくれる日がくるから

私はあの日の二人の

夜を待って

使わない薬を

仕舞ってしまうから

さよならは言わないで

ありがとうは知らないで

眠った横顔を

ただ眺めて

終わりになんてしないで

この二人だけの世界で

たった一言の為に起きている

明日もまた

貴方に私を

おやすみなさい

そんな居場所を

いつまでも待ってるから

二人で見た

あの夜のように


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