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詩集擬き  作者: 針山
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『鈍痛(どんつう)』

お腹が痛い

ああ

とても痛い

薬を飲んでも吐き出して

痛いと言っているのに飲めるわけがない

痛い痛い痛い

お腹が痛い

痛い痛い痛い

そのうち頭も痛くなってきた

ダメだもう

私はもう

彼の元には行けやしない

こんな時間に行っては

無言の常夜灯が私を迎えるだけ

胃が痛い

頭が痛い

一歩進む度に痛みが増し

一歩近づく度に痛みが広がる

痛い痛い

心が痛い

想いが痛い

こんなに痛いなんて

誰も教えてくれなかった

痛い

薬を飲んでも意味はなく

薬を飲んでも完治はない

痛みを紛らわす唯一の方法が

彼の元に行くはずなのに

逆効果の栄養補給

本末転倒の新陳代謝

お腹が痛い

泣きたくなる

嘆きたくなる

もう痛いのなんて止めてしまおうかと

思えば思うほど

痛みは増すばかり

きっと痛みをとってしまったら

私は死んでしまうんだろう

痛い痛い

この痛みが

長い未来

続くことを願って

伸ばした右腕を

思いっきりふる

ああ

腕が痛い



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