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詩集擬き  作者: 針山
191/355

忘格(ぼうきゃく)


ひとつ

一つ

どんどん忘れていく

鎖に繋がれた獣が

自由を貪る快楽を霞ませたように

首輪を付けられた獣が

餌を待つ時間に慣れたように

少しずつ

忘れていく

大事な大事な

生きる意味を

繋がって待ちぼうけ

ほらまた一つ

忘れてく




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