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詩集擬き  作者: 針山
188/355

逸奪(いつだつ)

世界を騙そう

揺るぎない秩序で保たれた

積み重ねてきた歴史を蔑ろに

愉快痛快

気軽に軽々しく

自分勝手な我儘で

台無しにしてやろう

さぁさぁ手を取り繋いで輪になって

みんなで一緒に未来を目指そう

現実をクソッタレな世界と蔑んだ

どこの誰かの昔の言葉を共に

過去を笑って未来に逃げ込んで

現実を現実から追い出そう

そうやって世界を創り出し

こうやって世界を造っていく

神様の手なんか跳ね退けて

始まりは不幸な出来事で

きっかけは不運な偶然で

誰にも真似できない

誰かの真似をしよう

世界を騙そう

簡単に

世界を騙そう

理不尽に

世界は騙される

滑稽に

私の世界は

騙された


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