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詩集擬き  作者: 針山
186/355

雲伸景(ゆきのかげ)


思わなかった

知らなかった

こんなにも簡単に

テレビの世界がやってくるなんて

毎日を笑顔で過ごしていれば

楽しい今日が来ると思っていた

毎日がつまらなくても

変わらぬ明日になると思っていた

辛いことはあっても乗り越えられて

悲しいことはあっても何とかなると思ってた

だから

こんな

あっけなく

あっさりと

終わりを告げる暇もなく

終わりだと感じる余裕もなく

消えてしまうなんて

思いたくもなかった

もう

どこに行っても会えない

どこに行かなくても聞こえない

声も

顔も

温もりも

あの地平線の向こう側へと

揺れる電車の窓から

流れる景色を眺めるだけで終わる

一日のように

過ぎ去る毎日が

何でもなかった日のように

一定のリズムで奏でる

線路のように

ゆったりと

リズムをとって

揺れる線路の

上の中

涙も出ない

余裕のない

それでも明日は

泣いてしまおう

明日だけは

泣いてしまおう

あの空のように

彼の好きだった本を読んで

忘れてしまわないように

落ちる雨粒を

避けられないのと

同じように

空が雲を

抱き締めて

心が明日を

求めるように



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