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詩集擬き  作者: 針山
179/355

排出口(はいすいこう)


二人で繋いだ

窓は閉じてしまって

陽の光を拒んだカーテン

三角コーナーに流した

思い出を見つめてる

とめどなく

休みなく

飲み込んでいく排水溝

眺める私の

影は伸びずに

垂れさがる前髪を

払わず流して

一人は笑って

一人は泣いて

二人は笑って

二人は怒って

繋いだ手は

どちらも離せるから

終わりにして

終わらして

きゅっと

水は止まる

鉄錆びの

階段を上がる音が響く

足音が聞こえたから

水は止まって

目を逸らす

さよならしなかった

さよならにならなかった

一人の

世界を

彼の足音が聞こえる

途絶えることなく

終わることなく

階段を登る

鉄錆びの音が

ふと

流しを見やれば

ごぷごぷと飲み込む

排水溝が口を開けていた


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