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詩集擬き  作者: 針山
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『完喚間(かんかんかん)』

愛してないと

溢した貴方の言葉を聞いた

ずっと隣にいると思って

愛してるよ囁いた

昨日までの貴方は嘘だったの

愛してるよ呟いた

今日までの貴方は嘘だったの

毎日の出来事を流すテレビ

見知らぬ他人が今日も別れている

言葉を捨てて

踏切の断続音が響き渡る

電車は一向に来ない

自販機で買った炭酸が

甘ったる液体に変わってしまった

もういない貴方の温もりを撫でて

残った香りを胸に抱き

震える携帯を手にとる

軽やかなメロディ

連動する振動に

冷えた指先は感覚を忘れた

一度だけ放った言葉

四文字に込められた意味

漁って漁って漁って

拾い上げた言葉

私から貴方に贈る言葉

貴方から私に贈る言葉

そう知ってしまった心

安っぽいセリフ

一人が二人になる言葉で

覚えたばかりの

新しい事にはしゃぐ子供みたい

約束なんて

破れるモノなのに

食い違ったボタン

小さな傷を放っていた

亀裂となって

広がるなんて

服のボタンほど

考えていなかったのに

首にかけたタオルが

落ちて床を濡らす

たった一度の終わりが

取り返しのつかない終着

電車はまだ来ない

電車はまだ来ない

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