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詩集擬き  作者: 針山
167/355

天朽(てんきゅう)


会いたくて

白い息が震える

真っ暗な世界に

光の輪で出来た

貴方に会いたくて

絞り込んだ喉が

忙しない息継ぎを繰り返し

巡る景色を置き去りに

遠のく思い出

木霊のように

聞こえてくる街の音が

私の前に立ちふさがる

来ないで

待ってて

現れないで

消えないで

湿ったアスファルトを

踏みしめて

踊るように駆けた遊歩道

飾られた通りを抜けて

辿り着いた空虚の箱庭

増える白に

震える息

遠くから聞こえる

遮断機の断続音

耳鳴りと静寂

足はもつれて

手はさ迷う

伝えなかった一言を

噛みしめながら

消えた声で

叫んでみた

どこにも届かない

私の声

だれにも届かない

私の想い

振り絞った先から

消え萎む

小さな結晶

終わりを言えず

終わりと言えず

続くと思えず

続くと思わず

滲んだ空は

灰色に

吐き出した白の

塊は

温もりを求める

世界に滲んでいった

終わりの年の

最後の日に


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