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詩集擬き  作者: 針山
159/355

五月病(せいしゅん)


重さなんてなく

想いなんてなく

今日まで生きて

昨日がない

これまでの過去を

体重計に乗せても

針は一周することなく

まるでダイエット

余計な部分を削ぎ落とし

無用な部分を削ぎ落とし

簡素極まる

私の過去

思い出はある

楽しいものも

悲しいものも

辛かったことも

嬉しかったことも

でも

きっとそれは

電車でバカ笑いする

世界の中心にいるような

今を生きるあの子達と比べれば

あまりにも

あまりにも

過ぎ去る一日と同程度の

彼女らの

ただの一日と

同じ量しかない

かもしれない

羨ましい

なんて言わない

後悔じゃないから

私の過去は

例え少なくとも

ダイエットみたいに痩せ干そっていても

あるにはあるから

ただ

少し

もったいなかったかもしれないと

思うだけ

あの子らのように

あの頃のように

もっと笑って泣いて

もっと怒って言って

作っても良かった

なんて

忘れて

忘れて

さぁ今日が始まる

昨日がない私の

大切な今日が

明日に繋がらない

昨日に代わる今日が

揺れる車両

変わらぬ日々を繰り返す

まるで私のようだと

想いながら

重いながら

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