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詩集擬き  作者: 針山
154/355

苦死伝死(くしでんし)


苦しいなんて言葉じゃ伝えきれない

死にたいなんて言葉じゃ死にきれない

何もかもが嫌になって

意味もなく叫びたい

苦しいなんて言わずに

死にたいなんて言わずに

ただ叫びたい

ああああああああああああああああああ

声を震わせて

心を震わせて

感情を揺らしたい

机の回りを片っ端から壊し回って

もう何も出来ないようにしてしまいたい

あれだけ鈍かった心が

これだけ感じる心になって

苦しいって言っても

苦しみなんか伝わらない

絶対に誰にもわかりっこない

意味もなく

突然に死にたい苦しさ

追い詰められたんじゃない

行き止まりなわけでもない

袋小路でも行き詰まりでもなく

ただ無意味に

死にたい

そう思った

突発的な暴虐的

突然的な傍若的

些細な悪意で気分が悪くなる

誰かに向けられた

見知らぬ視線にも

不快な気持ちを露にし

誰かの感情に苦しめられる

苦しい

苦しい

死にたい

死んでしまいたい

発作的な

死の破滅

今の私が死んでしまえば

明日の私が

また死にたがる

苦しい

死にたい

伝わらない

死にきれなさ


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