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詩集擬き  作者: 針山
153/355

宿休雨(しゅくう)


濡れた空気を舐めて

絡まる髪を撫でれば

鬱陶しいくらい枝垂れかかってくる

ほんのわずかな隙間さえ

垂れた雫は痕を残し

緩やかに去るのに

優しく温もりが

脚を辿って唇へ

立てる寝息の音だけが

雨の音と合わさって

乱れた景色を彩る

片口で切り揃えられた

小麦色の髪を撫でながら

カラスなんて呼ばれる

自分の髪をなぞりながら

窓の外で飽きもせず降り続く

雨の模様を見つめて

私はそっと

服を着る

傘を持たずに外に出よう

雨に濡れて歩いてみよう

天からの雫を全身で浴びて

鼻歌でも唄いながら

少しだけ散歩をしてみよう

真っ白のシャツに

少しきついジーンズを穿いて

ドアに手をかけ

振り返る

背中を向けた誰かの寝息は

止まっていた



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