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心気楼(しんきろう)
一面に広がる砂漠の
一夜の夢の如く
一対の月光が降り注ぐ
乾いた風の
浮かんだ大地
二頭のラクダが
口ずさみながら歩いていく
貴方の胸に眠る
私の頭を撫でる手のひら
明確に区別された
砂と星の無数
広大に壮大に
世界に埋れる夜の中
いつまでも続けばいいと
願いながら
いつまでもこのままでと
想いながら
足跡を残して
軌跡を辿る後方には
きっと誰かが見ているだろう
満天の砂に恒久の星
埋め尽くされた大地と夜空
浮かんだ月と
吹きすさぶ風が
砂の星を優しく包む
夢幻の如く
儚き幻想に
空も地も
消えていった




