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詩集擬き  作者: 針山
144/355

手繋(あいしてる)



恋をしたことがない

そんな

ふざけたことを

私の手を握りながら

彼は言った

曇天模様の空気分

しとしと鬱陶しい同僚のように

嫌な空気を作りだす

さっさと消えればいいのに

あっちへいってくれないかな

停滞と滞在を何よりも

灰色の雲がふて腐れた顔で文句を言う

昼下がりの午後が

本当は何時を指すのかなんて知らないけれど

二人で出掛けた日くらい

甘い気持ちになりたかった

伝わる気持ちは伝わらず

伝えたい気持ちは遮断される

だから絶対

私から口を開いてなんかやらないと

思っていたのに

聞こえたセリフは

雨みたいに

冷たくて

曇り空みたいに

寂しい

そんな

私の右手

だから

そっと

手を離せば

彼は握り締めて来る

強く固く

逃げられない

恋をしたことがない

そんなふざけたことを

私の手を握りながら彼は言った

素直じゃないのは彼か私か

可愛いと思う気持ちは嘘か本当か

少しだけ意地悪を

今は

この手は何を

していると

尋ねたら

素直じゃなかったのは

私だったみたいだ



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