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詩集擬き  作者: 針山
136/355

今愁(きょうしゅう)


思い出すのは記憶の奥

どこに手を伸ばしても掴めなかった

幼い自分の姿

懐かしい景色が広がって

眩しい光景が見えている

触れられたはずの背中が

桜吹雪の中で歩いている

声をかければ振り向いて

話をすれば笑って

とてもとても近い場所に

存在していた

繰り返される毎日が

ずっと続くなんて思い続けて

同じような毎日が

終わらずに続くと思い続けて

気が付けば

残ったのは記憶の奥

そこにしか姿を見ることは叶わず

そこにしか姿を見ることは願えない

唇を噛み締めて

拳を握り締めて

体育座りで

顔を隠す

押し付けて

押し付けて

思い出す桜吹雪

初めて会った

遠い記憶

仕舞ったはずの感情を

少しだけ覗いてみて

懐かしさに笑って

顔を上げる

酷い顔

なんて

笑いながら

笑えればいいのかなんて

解らないけれど

昔じゃない今なら

それでもいいのかもしれないって

思いながら

顔を洗いに

立ち上がる

立ち上がれる

おやすみおはよ

また明日

今日も昔を

懐かしんで

戻れない姿を

懐かしんで


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