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詩集擬き  作者: 針山
132/355

夜深帰(よふけ)

冬の夜は嫌いだ

回る換気扇だけが音を紡ぎ

窓を隔てた世界が沈黙する

寒いし眠いし

布団が恋しいし

冷たい布団が拒絶してくるから

赤々と照らす電気ストーブに丸くなる

真っ暗で

真っ赤な

寒くて寂しい部屋

きっと誰も知らない

独りぼっちの私

電気を点ける事の方が怖くて

誰もいない事を

教えてくるようで

怖くて

怖くて

だからひっそり

赤い火の前に

丸くなる

猫のように

猫のように

眠ってしまえれば

どれだけ幸せか

私がどれだけ

幸せになれるのか

真っ暗な部屋で

喧しい換気扇を消してみれば

隔てた窓は全てを遮断し

世界に一人だけの私を創る

おやすみも

寒いねも

寂しいも

さよならも

誰にも言えない

私だけの世界

ああ

明日もまた

一人の夜が来る

きっとまた

独りぼっちの夜

おやすみお布団

さよなら換気扇

寒いね電気ストーブ

寂しいよ私

冬の夜は嫌いだ

泣きたくなる私を

誰も咎めないから


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