表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集擬き  作者: 針山
107/355

他空箱(たからばこ)



夜の終わりに見た

小さな景色

何度も思い出して

何度も仕舞って

繰り返された作業の中

緩やかに

緩やかに

ほんの少しばかりの思い出を

誰かとの思い出を

繋いで

繋いでいた

あの日のことを

忘れないために

蓋をして

何度も蓋をして

それがたった一つの

出来ることだから

どんなに思い出しても

今を生きるために

今日を生き抜くために

笑って笑って

泣いて泣いて

そうやって

昔を昔と

決めつけて

蝶の姿などなく

蝉のなき声もなく

ただただ

私の声だけが

響き渡って

そうやって過ぎていく

忘れられない季節

思い出の中だけで生きて

想い出の中だけで実る

私の大切なあの頃

さぁ

後ろは振り返らず

見ることもせず

忘れることはしないで

蓋をして

仕舞ってしまって

大事なあの日を

残したまま

今日を過ごして

明日を生きよう

風はいつでも

その時に吹いているのだから



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ